第74話 立ち上がれ、宇宙の王者
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「大気圏を突入して未確認物体がこちらに接近してきます!」
所員の言葉に誰もが戦慄を覚えた。大気圏を越えたと言う事は宇宙からやってきた事になる。そして、現状の組織にそんな事が出来る者は居ない。となれば敵としか考えられない。
「モニターに出してくれたまえ」
「分かりました」
電波望遠鏡により映し出された映像が巨大スクリーンに投影される。其処に映し出されたのは一機の円盤であった。
黄色い姿をしたラグビーボールを思わせる形状をしており、頭頂部に鋭い突起がついている。
「あ、あれは!」
「大介さん?」
その円盤を見た途端、大介の顔色が変わった。明らかに驚愕の色だった。一体あの円盤がどうしたと言うのだろか。
「間違いない。あれはベガ大王親衛隊だ!」
「何だって!」
「あの円盤にとりつけられた赤い十字の紋章。間違いない、とうとうベガ大王が本腰を入れて来たんだ!」
ベガ大王親衛隊。
確かに大介はそう言った。今まで戦ってきた円盤獣は皆人口知能を搭載した怪獣だった。だが、今回は違う。
腕利きの戦士が搭乗しているのだ。恐らく相当手強い相手となるだろう。
「へん、手間が省けたってもんだぜ! あんにゃろうをとっちめてベガトロン放射能の除去方法を聞きだしてやる!」
「やめるんだ甲児君。奴の強さは今までの円盤獣の比じゃない。返り討ちにあうだけだ」
「やってみなきゃ分からないだろ?」
「嫌、僕には分かる。奴はとてつもなく強い。だから、僕が行く!」
「大介!」
宇門博士の制止を振り切り、大介は管制室を出て行った。大介が言うのだ。恐らく相当強い相手なのだろう。だが、だからと言って黙って見ているなど甲児に出来る筈がない。
「博士、俺も行きます。大介さん一人に任せておけませんよ」
「頼む。だが、妙だ」
「妙?」
「親衛隊と言うのに、奴は一機でやってきた。相当なまでに勝てる自信があるのだろう」
宇門博士は冷や汗を流した。親衛隊と言うからには相当な地位にある筈だ。その地位にある者が部下も連れず単機でやってきた。
余程勝算がなければやらない事だ。奴等とてグレンの強さを知っている筈なのだから。
「へっ、只舐めきってるだけじゃないんですか?」
「いや、奴等はきっと知っているんだ。グレンダイザーにある死の弱点を」
「死の弱点?」
「甲児君、直ちに大介の後を追ってくれ。もし私の予測が正しければ大介が危ない」
「分かりました」
宇門博士の予想があたっていればとんでもない事態になってしまう。
グレンダイザーの死の弱点。一見すると弱点などなさそうにも見えるグレンにそんな物があったとは。甲児ですら気づかなかった。
「あ、私も行きます!」
「怪我しないようにしっかりしがみついてろよ」
「うん!」
甲児となのははそう言いあい
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