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スーパーヒーロー戦記
第74話 立ち上がれ、宇宙の王者
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女の甲高い悲鳴が流れ込んできたが気にしてられない。
【やったわねぇ! お返しよ】
 立ち上がりざまに女の声が聞こえてきた。それと同時に同様にグレンの右が下から上へと突き上げられてきた。
 綺麗なアッパーカットがZの顎を捉えそのまま叩きつけて来たのだ。
「うわっ!」
「きゃぁっ!」
 甲児もなのはも揃って声をあげる。
 弧を描く形でZが宙を舞い、地面へと落下する。
 激突するよりも前にジェット噴射で姿勢を整えて両足で着地する。
 だが、衝撃は相当な物だった。頭がクラクラしてくる。
「な、なのは……お前の方は大丈夫か?」
「う、うん……目が回るけど、大丈夫ですよ」
 口ではそう言うが明らかにやせ我慢だと言うのが見て取れた。マジンガーの操縦はかなりキツイのは自分自身分かっている。
 パイロットスーツを着ており衝撃緩和作用がある甲児はまだ良い。なのはにはそれがないのだ。
 しかも、デバイスを失ってしまっておりバリアジャケットを纏う事も防御結界を張る事も出来ない。
 下手に乱戦に持ち込めばそれだけ彼女に危険が及ぶ事になりかねないのだ。
「大介さん、悪いけどぶっ壊すつもりで行かせて貰うぞ」
 甲児がボタンを押した。Zの両目が光り輝く。
 閃光が放たれた。光子力ビームだ。
 光子力ビームが真っ直ぐグレンへと向かって飛んでいく。それに対し、グレンの目からも閃光が迸った。
 ダイザービームだ。
 光量子エネルギーを2万度近くまで発熱させて放つ超高温ビーム砲だ。
 双方のビーム砲が互いに空中でぶつかりあい激しいスパークを起こす。
 互いに一歩も譲らない戦いになった。
 甲児の頬を冷や汗が流れ落ちる。この押し合いに負ければダイザービームがZの頭部に直撃する。そうなればZの顔が一発で粉々に吹き飛ぶ事は目に見えていたのだ。
 緊張が戦場を支配している。
《其処までだ! 戦闘を中止するんだ》
 突如、声が響いてきた。聞いた事のある男の声だった。威厳のある中年相当の声だ。
「この声、宇門博士!」
【叔父様!】
《二人共、戦闘を中断するんだ。すぐに研究所内に来なさい。話がある》
【でも叔父様。こいつは敵じゃないの?】
 グレンの指がZを指す。しかし、それに対し宇門博士は違うと反応を示した。
 どうやらお互いの誤解から生じた戦いだったようだ。
 そして、その戦いは宇宙科学研究所所長でもある宇門博士の手によって終結させられたのであった。




     ***




「久しぶりだね、甲児君。無事で何よりだったよ」
「そちらこそ、皆無事みたいで、安心しました」
 研究所内に招かれた甲児となのはは、其処で宇門博士を筆頭とした全所員達の無事を確認できた。
 あの忌まわしき侵略同盟の総攻撃から辛くも生き残
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