第二十八話 少年期J
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俺がミッドチルダと呼ばれるこの次元世界に転生して6年が過ぎた。そして6年も経つと、人間それなりに慣れてくるものである。地球というか、日本の文化に20年以上も浸かっていた俺。それでも思い返すと異世界に染まったなぁー、と感じることが多々ある。
たとえば髪の色。黒色や茶色の髪以外は違和感を覚えていた昔と違い、今では相手がピンクの髪をしていても動じなくなった。世界規模の交流がなされているため、色とりどりの頭髪が次元世界では見られる。母さんやアリシアは黒髪と金髪だったから馴染むのは早かったが、同僚さんの薄緑の髪には最初の頃なかなか慣れなかった。
その後もクラナガンに出れば、赤や青や銀とか日本では目立つことこの上ない頭髪の人が普通に街を歩いている。それが当たり前。そして母さんから教えられたことだけど、他者の見た目や文化、そして出身世界を落とすことは最もしてはならない行為の1つだと教えられた。
日本にも相手を侮辱してはならないという決まりはあったが、このミッドチルダではそれがかなりきつく言い渡されているのだ。それは多世界との交流を円滑に回すためでもあり、この次元世界で一番の影響力を持つ時空管理局が信条としているからでもある。
確かに次元世界を守っている組織が、世界のことを差別したらそりゃ非難来るわ。1つの国を守るための組織ではなく、次元世界の平和維持を務める組織だし。お姉さんから聞いた話だと、給料とかも色々な世界から集められたお金らしい。民が支える組織だからこそ、組織も民を守るために頑張る。そんな感じなのかな。
なんか難しい話になったが、要は俺もそれなりにミッドチルダの文化に親しみを持てるようになってきたのだ。なのはさんたちも移住できていたことだし、そこまで奇抜なものもなかったおかげもある。もちろん未だに困惑するものもあるが、それも次第に慣れていくと思う。
なんというか、ここの文化って日本に比べて大らかな感じなんだよね。受容的な要素が強いからか、心が広い人が多い印象がある。あと魔法やら戦闘技術も慣習としてあるからか、結構強かな性格の人も多いのだ。ミッドのスポーツで戦闘系のものが多いのもそれだと思う。
俺もこの世界で生きていくのならば、頑張ってなじむ努力をしようと思っている。昔の文化と食い違うところがあったのなら、考えて自分なりに納得できるようにしていた。この世界で骨を埋めると決めて、生きていくのだから当然だろう。
……なんだけど、どうしてもある1つだけはいまだに慣れない。というか慣れてしまってよいのか悩む文化があったりする。
次元世界は大らかで、強かな人物が多い。そして戦闘に関しては真剣そのもの。それ事態は別に問題はない。問題はないんだけど、それがこと俺にとってはものすごいカルチャーショ
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