第二十八話 少年期J
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それから時間が経ち、集まった子どもたちにまだまだポケットにあったプチプチを配っていく。大興奮して競争になった。さすがは子ども。それでもプチプチ歴20年以上の俺が本気を出せば勝てる戦い……と思っていたら、エンペラーは少年Eのものになった。ダークホースだった。
そんな感じで、いつものように俺たちは笑いあって、身体をいっぱいに使って遊びあった。
******
「おぉ、ここがっ!」
「ねんがんの!」
『マイホームですねー』
「にゃー」
そんなこんなで数日が過ぎ、ついに我らがテスタロッサ家のマイホームが公開された。クラナガンの住宅地の一角に建てられた2階建ての一軒家。塀が家の周りを囲んでおり、庭にはガーデニングもできそうなぐらいの広さがあった。
ここまでの歩道も綺麗に整備されてあったし、等間隔に植えられた木や草のモニュメントがアクセントになっている。都会なのに緑があふれているし、静かでゆったりとした街並みだ。家も何年か前に建てられていたそうだけど、新築のようにピカピカしている。さすがは母さん、ぬけめがないぜ。
「さぁ2人とも、ここが私たちのお家になるところよ。荷物ももう少ししたら届くから、それまで探検してみたらどうかしら」
「たんけん!」
「冒険家の血が騒ぐぜ。行くぞ、アリシア!」
元気にうなずき返す妹と一緒に家の中に入る。玄関で靴を並べ、フローリングの廊下を進むと広々としたリビングに出た。カウンター付きキッチンや柔らかそうな大きめのソファ。ソファなんて家族全員が座ってもまだまだ余裕がありそうだ。そこに2人で飛び込んでしまったのはご愛嬌ということで。
次に再び廊下に出て、2階に続く階段をのぼってみると、いくつもの部屋が続いていた。母さんに説明を聞くと、ここの部屋の1室はそれぞれ俺たちの部屋になる予定らしい。今までは俺たち用の部屋がなかったから、アリシアも目を輝かせている。
確かに今ぐらいの年齢ならいいけど、妹も女の子なんだし、兄とはいえ異性と同じ部屋のままはまずいよな。俺も自分のマイルームに心が躍った。
「お兄ちゃん、私のお部屋すごいよ! 広くてきれいですごいの」
「はは、お兄ちゃんの部屋もすごいぞー」
「うん。すごくすてき!」
「アリシアの部屋だってすてきだよな」
「ふふ、あんなに喜んでもらえるなんて頑張って探した甲斐があったわ」
『お楽しみということで、家の詳細は内緒にしていましたものね』
「そうね。コーラルもお手伝いありがとう」
『いえいえ、当然のことです。ところでリニスさんは――』
「ふにゃぁーー! ふにゃぁぁーーーーん!!」
「……あっちも喜んでくれて何よりだわ」
『リニスさーん。キャットツリーで暴れないでー、爪とぎ柱登らないでー
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