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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
プロローグ 始まりは極東の地で
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ど行ってほしくはなかった。
しかし、今までずっと夢も目的もなくふらふらしていた娘が水を得た魚のようにはきはき動き出したのを見るととても止める気分にはならず、結果が今の状態である。悔しいが、IS学園受験に勤しむ娘の姿は、他のどのアルバムに映るあの子よりも生き生きとしていた。悪いと思いつつ父さんと一緒に“あの子が受験に落ちますように”といろいろ願掛けしたりしたのだが、やはり効果は無かったようだ。(娘には内緒よ?)
まぁ反面、さっき言ったようにこうなるのではとも思っていた。IS適性検査の結果が“適性値S”だったときから『ああ、受かっちゃうだろうなー』と確信していた。
「母さん、ごめんね」
「何がよ?」
突然、先ほどまでの喜びようが嘘のように静まった娘から謝罪の言葉が飛び出す。意図を測りかねたため聞き返すと、今まで何を考えているのか良く分からなかった娘から少し意外な言葉が飛び出した。
「いや、IS学園入学するの反対だったし・・・親不孝だよね」
「いいのよ、どうせ止めても入るだろうとは思ってたし・・・夢叶えてきなさい。応援してるわ」
「・・・そっか。そうだよね。そういえば私たち、家族だもんね」
「そうじゃなきゃ何だっていうのよ・・・ふふっ、おかしな子」
「あはは・・・」
おかしくなってつい笑いを零す。釣られるように娘も。
貴方は間違いなく私がお腹を痛めて産んだ子供よ。私たちの自慢の・・・
だから、行ってきなさいな。そして――辛くなったら、いつでも帰っておいで、
稔
(
みのり
)
。
――――――――――――――――――――――――――――――――
何所までも続く漆黒の空間。そこに光る沢山の赤い矢。
矢は美しい球体と衝突し、球体は光の飛沫を撒き散らしながら虚空に消える。
鮮やかな桃色の光が砂時計を崩す。巨大な試験管が、球体に突き刺さって砕ける。
不思議な形をした沢山の船が、巨大な虫のような生き物たちに群がられ、船は生き物諸共黒い球に形を変える。
歪な船が輝きと共に空を飛び、やがて力尽きたように沈んでゆく。
女神の像が崩れ去る。神の像も崩れ去る。
白い巨人が体を起こし、橙色が球体を包みこむ。
無限に伸びる沢山の蔓のようなものが、微かに光る粒子を吸い込み続ける。
誰かが何かを叫び、たくさんの巨人たちが漆黒の空間を駆ける。
その巨人たちは何処からか走ってきた白い光に包まれて、花火のように美しく散ってゆく。
声が聞こえる。ある人は笑い、ある人は悲しみ、ある人は怒り、あるものは泣き、連なる狂気と怨嗟は一つの音楽となって黒い空間に吸い込まれる。
そんな光景が暫く繰り返され、やがて漆黒の空間は静寂に包まれる。
いや――
巨人が立っていた。黒い巨人だ。巨人が踏
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