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【IS】何もかも間違ってるかもしれないインフィニット・ストラトス
プロローグ 始まりは極東の地で
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自分のことでいっぱいいっぱいの中、二人にはそれなりの心の余裕があるのかお喋りしている。

「お、あそこにいる子たちはIS学園の受験に来たみたいだな」
「IS学園かぁ・・・かなり厳しい試験らしいから、あの中からもかなり落ちる子が出るだろうね・・・」
「おいおい、入試直前に縁起でもないこと言うなよ!」

批難の声にごめんごめん、と謝りながらも歩みを進める。しかし妙に入り組んだ構造をしている。例年はこことは違う建物でやっていたらしいが、今年はその建物で老朽化などが問題になったらしく使用不能、変わってここが会場に選ばれたそうだ。
これは本当に迷子になりかねないな、と苦笑しながら横に振りむき――

「・・・・・・あれ、一夏?」

そこにはいるはずの彼の親友、一夏の姿が無くなっていた。


翌日、こんな記事が新聞の一面を飾る。『世界初の男性IS適性者現る』、と。
――そしてユウは知らなかった。その数日後に自分も兄弟と一緒に一面記事を飾ることになることを・・・




同じく4か月ほど前の事――


「やったぁ!二次受かったぁ!!くぅ〜寝る間も惜しんで勉強した甲斐があったぁ〜〜!!」
「えっ!?嘘、アンタ受かったの!?」
「た〜〜うぜん(当然)!!」

特に珍しくもない街のどこにでもある家庭。そこで特別美人でも不細工でもない少女はにっと笑って勝利のVサインを高らかに掲げる。対する母の反応はというと・・・

「まぁアンタなら何とかするような気がしたけど」
「えぇ〜〜・・・そこはそれ、喜んでほしい所なんだけど」
「だってアンタどう見ても真面目に勉強してないのに成績はいつも平均以上だったしねぇ・・・ヤレバデキルコダッテシンジテタワヨ〜」
「何よそれ。確かに勉強あんまりしてなかったけど今回は真面目にやったもん!!」

不満そうにこちらを見て、しかし直ぐに合格通知書を見直してにやけ始めた娘を見ながら母はため息をつく。

昔から変わった子だとは思っていた。私にも父さんにも、身内の誰とも似ていない性格。どうも毎日にあまりやる気が感じられない態度。勉強せずにゲームばかりしているくせにテストで悪い点を取ったことはなく、家族間で喧嘩をしたこともあまりなく。
学校の評価は“やる気無さ気なのに優秀な変わった子”、娘の友人の評価は“何だか思考が微妙にずれてる子”。反抗期も思春期も全然変わらず特に打ち込むこともなくダラダラ過ごす娘が突然IS学園に行くと言い出した日は今でも覚えている。
父さんも私もはっきり言ってやめておけと言いたかった。ISはなんだかんだ言いつつ兵器だ。世間ではスポーツ用のパワードスーツ位の認識しかされていないが、このご時世比較的真っ当(だと思う)な感覚を持った親の身としてはそんな物騒なものを扱うための学校な
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