第四章 空白期編
第九十六話 『初代・祝福の風の心の行方』
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そうだそうだ!」
男どもが強引にアインスを連れて行こうとする。
「…ハヤテ、救援に行かなくてもよいのですか?」
「いや、ここはやっぱり王子様の出番やろ?」
「そうだね! それが理想だよね!」
「士郎はそんな都合のいい人だったかしら…自分のことながら」
アリシアちゃんが乗ってくれて、シホちゃんがそんなことを言う。
でもな? シホちゃんやっていつも助けてくれるやん。
だから士郎もきっと助けてくれる。
と、待っているとやっぱり来た。
士郎は黒のシャツにパンツの格好にさらに赤いジャケットを着ていた。
褐色の肌と白髪にいい感じにあっとる。
士郎は男の腕をつかみ、
「ウチの連れになにをしようとしている、貴様ら…?」
低音での士郎の突き刺すような視線によって男どもはたちまちに萎縮してしまい、
「用がなければ去れ…」
「「「は、はいぃ…!」」」
男どもはそれで去っていった。
でも去り際に何度も士郎の事をチラ見していたのはなんだったんやろうか…?
…アカン、怖い想像してしまうからよしておこう。
アーッ!やなんて私は気持ち悪くて嫌や!!
それより、
「ほらな? やっぱり士郎はアインスの王子様や!」
「そうですね、ハヤテ」
「うむ、男の甲斐性だな。見せるときに見せんといかん!」
「士郎パパ、かっこいいです!」
「私はノーコメントで…」
「なんで? シホ…?」
私ら六人がわいわいやっている間にも二人が話し始める。
「待ったか? アインス」
「い、いや。そんな事はない…」
「そうか。ならばいくとしよう。それより、その服は似合っているぞ」
「そ、そうか?」
「ああ」
「士郎!」
「なんだね…?」
「手を、繋いでいいか…?」
「ご要望とあればな」
それで士郎とアインスは手を繋いで歩き出した。
「…ごめん。なんか私見ていて恥ずかしくなった…。口から砂糖を吐きそうだわ」
「シホ。あなたはもう逃げ出すのですか?」
「シホちゃん、あかんで? もう一人の自分とは言え顛末はちゃんと見ておいたほうがええで!」
それでシホちゃんも渋々アインス達を観察する。
それでええんや。
それから二人はなにをするかと思えば映画館に入っていった。
「ま、デートとしては定番やな」
「そうだね!」
「なにを見るのかしら…? 少し口の動きを調べてみるわ」
そう言ってシホちゃんはその抜群の視力と読心術で士郎の口からなにを見るのか読み取った。
「どうやら今流行りの恋愛モノを見るらしいわ」
「もうわかったの!?」
「さすがシホちゃんや。その視力は伊達じゃない!」
「それで…? 私達はどうするの? 一緒に入る?」
「いえ、シロウの事です。すぐに視線や気配で私達がいる
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