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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
加速する誤解
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徒たちと違い機体を操る腕は相当なものです。やはり代表候補生の名は伊達ではないという事ですね。

「よし、では次は模擬戦をやってみよう」

「いや、残念ながらそれは許可されていない」

 榛名二尉の言葉を織斑先生が中断させます。

「指導までは許可されているが模擬戦となると生徒個人の力量を見ることが出来てしまう。故にそれは許可できない」

「ごめんね舞ちゃん、決まりだから」

「そうですか。それは仕方ありません。それから麻耶、さっきも言ったが舞ちゃんは止めてくれ」

 特別講師と言っても制限は多いようで、その日はもうしばらく榛名二尉から指導を受け、織斑先生の号令で生徒全員でお礼を述べて授業が終了となりました。

「よし、ではいつもどおり訓練機を使った者は全員格納庫に戻して授業は終了だ。解散!」

『はい!』

「うげー!」

「忘れていた……」

 鈴さんと箒さんが思わず絶望の声を上げますが時すでに遅し。織斑先生、山田先生は榛名二尉を送り届けるためにアリーナを去っていました。すなわち口答えは許されません。皆さん嫌々言いながらも人力でカートを押してアリーナを出ていきました。
 専用機を使っていたのは私と一夏さんだけ。なんですけど……

「よ、じゃあ食堂行こうぜ」

「はあ」

 何で私のことを廊下で待っているんですかもう。まあこういう人って分かっているからいいんですけど、こういうことするなら片付け手伝ってあげればいいと思うんですけどね。多分私が一人になってしまうとかそういう理由でしょう。そういうところに気が回るのは良い人なんです。何ですけどあの朴念仁振りだけは直して欲しいです。そうすれば完璧なのに……
 ん、なんでしょう。目に違和感が……
 少し擦ってみても痒みが収まりません。というよりひどくなってきました。こういう場合あまり擦ると逆効果なんですよね。ゴミでも入ったんでしょうか。

「ん、どうしたカルラ。目赤いぞ」

「はあ……ん、なんか痒くて。ゴミでも入ったんじゃないかと……」

「どれ、ちょっと見せてみろよ」

「すいません。お願いできますか」

 私は一夏さんの方を向いて、一夏さんは私の目の部分を手で開けて見てきます。
 わ、少し近いかも……一夏さんの瞳ってきれいな茶色をしているんですね。こうして改めてみるとよく分かります。

「ん……」

「あ、すまん。痛かったか?」

「いえ、ちょっと……」

「細かいゴミみたいなものが見えるぞ。多分さっきの砂埃が入ったんじゃないか?」

「ああー、そういえば……すいません。ちょっと洗ってきますね」

「おう」

 榛名二尉が着陸した時に砂埃が舞い上がりましたっけ。多分あの時ですね。授業中だったから気が付
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