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IS《インフィニット・ストラトス》‐砂色の想い‐
加速する誤解
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「本日の合同授業からは毎回特別講師を招いて授業を行う」

 いつも通り授業のためにアリーナに集合した私たちの前で織斑先生がそう言いました。周りのクラスメイトの人たちはどういうことかとヒソヒソ話していますが織斑先生の咳払い一つで一斉に静まり返ります。それにしても何故隣に控えている山田先生はそわそわしているのでしょうか。

「では来てもらうが、決して失礼のないように」

 織斑先生がそう言って一度だけ手を鳴らします。
 …………………あれ? 誰も来ないですね。
 そう思った瞬間、織斑先生の隣からものすごい砂煙が上がりました。巻き上がる砂に思わず顔を伏せます。砂煙が収まったので顔を上げるとそこには『打鉄』と同じく鋼色一色のISが浮遊していました。ただ『打鉄』とは違い装甲には一切無駄な装飾がありません。凹凸面も少なく空気抵抗を限りなく少なく作られ、左右肩部の非固定浮遊部位ものっぺりとした一枚鉄で作られたそのISは日本の高速迎撃型IS『雷征』です。そして操縦者は、榛名舞子二尉。どうやら今まで上空にいて急降下で降りてきたようです。
 しかし、何故でしょう? 榛名二尉って確か日本の航空自衛隊所属ですよね? 国の介入を受け付けないIS学園に何故日本の自衛隊の人が?
 そんな疑問は他の人たちも同じのようで再びヒソヒソ話が始まります。

「知っている者もいると思うが紹介しよう。彼女は日本の国家代表、榛名舞子だ」

「特別講師として来させてもらいました。榛名舞子です。本日はよろしく」

「教官。どういうことでしょうか」

 皆さんの意見を代表して、ということではないでしょうがラウラさんが挙手して織斑先生に質問をしました。

「先生、だ。IS学園は今年度より生徒の技術をより高めるためそれぞれの国の現役国家代表、または代表候補生を招いて特別授業を行うことになった。これは国際IS委員会で裁定された決定事項だ。この時間だけでこの学園の他の授業は見せない。また学園の中にも入れん」

「しかし我々の専用機を見せるようなことになるのは……」

「当然国際IS委員会の方で、ここで見たことは一切口外しないことを約束している。そして専用機を使用している者たちの希望者には今日だけ訓練機を使ってもらう。ボーデヴィッヒ、時間は有限だ。これ以上この件で時間は取らせるな」

「はっ!」

「よし、他に質問がある奴はいないな!」

 ラウラさんが織斑先生の言葉に従って沈黙すると他の人も何も言えなくなってしまいます。しかしいくら約束しているからと言って流石にこの授業には無茶があるような気がしてならないのですが……

「では授業に入る! 言うまでもなく彼女は現役の国家代表IS操縦者だ。迅速に動き少しでも多くのことを学ばせてもらうように。榛名二尉、よろし
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