黄巾の章
第7話 「はにゃ? 愛紗、だれなのだ?」
[3/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
だめなら……そのときは桃香たちと相談しよう」
「はい。あ……盾二様」
「うん?」
俺が視線を上げると朱里が跪く。
「私と雛里ちゃんは、なにがあっても盾二様に付き従います。どうかご自身の赴くままにお進みください」
「…………」
幼女にここまで言わせる俺って……
感無量? それとも鬼畜?
「……君の、君たちの信頼に必ず応えよう。ありがとう、朱里。俺は果報者だな」
「ありがとうございます!」
頬を高潮させて、歓喜の表情で顔をあげる朱里。
ほんとに……可愛いな。
……その信頼は護らねば!
―― 馬超 side ――
「あんた……桃香に『ゴシュジンサマ』って呼ばせているんだって?」
「イヤー! イヤー! それやめてー! ってか、なんでそんなこと……桃香!」
「えへへ〜……翠ちゃんに全部話しちゃった」
「……ぉぃ」
北郷が、あたしの夕食を持って天幕に入ってきた開口一番、そう言ったらまあ慌てる慌てる。
見ていて面白いほど。
なるほど、確かに桃香の言うとおり照れ屋なんだな。
「というか……二人とも、もう真名を交換したのか?」
「ああ。桃香が真名を預けてくれてね。あたしもあんまり堅苦しく呼ぶのは苦手だし……」
「うん。でね、でね! 翠ちゃんってすごくいい子だから絶対仲良くなれると思ったんだ!」
「よ、よせよ、桃香……あたしはそんないい子だなんて」
「えー! 翠ちゃん絶対いい子だよぉ!」
「……さすが桃香、というべきか? 雛里?」
「……あ、はは」
北郷と鳳統が苦笑いを浮かべている。
あたしも結構びっくりしてるよ。
知り合って間もないのに、桃香には何故か気を許しちゃうんだよな。
「それで北郷。あんた最近このあたりで噂になってる天の御遣いなんだって? 桃香がすごく自慢げに言うからさ……」
「と〜か〜!?」
「え? 言ったらまずかった?」
うーん……あたしが言うのもなんだけど、そういうのはあんまり官軍のあたしに言うべきじゃないと思うんだよな。
「はあ……まあ、そういうことだよ。できればそのことは朝廷には内緒にしてくれないかな。その代わり、俺たちは君の指揮下に入ってもいいと思っている」
「え!?」
「ご主人様!?」
え? だって、この義勇軍、北郷が仕切ってるんだろ?
官軍とはいえ、あたしの指揮下に入る?
「……説明してくれるか? 状況が飲み込めないんだが」
「ああ……そうだな。まずこの軍は劉備の率いる義勇軍だ。俺は『天の御遣い』という御輿に過ぎない」
「御輿……」
なるほど。
名分だということにするのか。
「名声も功も全部、劉備のものだ。これから討伐する黄巾の分も含め
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ