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なりたくないけどチートな勇者
36*外野が邪魔
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空気を一気に押し流した。
それに伴い、後ろの三人が吹き飛ぶのがなんとなくわかる。

とりあえず、邪魔はなくなったが……

「貴様さえいなければ!お嬢様は!お嬢様は!よくもお嬢様を汚したなぁぁ!!」

「違うっての!話をきけぇい!!」

トランスしているセブルさんが目の前にいるのは心臓に悪い。
てゆーか怖い。

「貴様と話す事などない!我が聖剣(エクゼカリバー)の錆にしてくれるわ!!」

「エクスカリバーじゃないの!?」

「黙れぇぇぇ!!」

怒声と共に彼は腕に力をこめ、それに伴いエクゼカリバーも一層光をましていく。
自分はそんな彼と鍔ぜり合いをして、全くと言っていい程動けずにいる。

多分動いたら死ぬ。

そんな確信にも似た予想が頭をよぎり、自分は全力でセブルさんを押し返す。

するとなぜか鍔ぜり合ってる所から『ギュギュギュ!』って変な音がして火花を散らしはじめ、それに伴い周りの壁がピシピシいいながらひび割れていった。
だがそんな事を気にする程の余裕なぞあるハズもなく、自分は生きるために必死で押し返した。

すると

ガキョン!!

「おあっ!?」

「くっはぁ!!ちぃぃぃ!!」

まさか押し切れるとは思っていなかった。
だがこの隙を逃す程自分も阿保ではない。

「切り捨て御免!!」

ガシュ!!

「ぐっがぁぁぁ!!」

即座に彼を袈裟斬った。
峰打ちだが。

いや、さすがに殺す程の度胸は、ねぇ。

だが相当力を入れたので、廊下の端まで彼は二回バウンドしながら吹っ飛び、顔から壁に激突した。

……二回バウンドって……しかも顔。
死んどらんよね?

てゆーか自分、ノリであんなセリフ言うだけの余裕がまだあったんだな。
自分で自分にびっくりだよ。

だがまぁ、ここまでやった後の自分の行動はただ一つ。

「………逃げよ」

この現場から、少しでも遠くへと逃げる事である。

ほら、だって廊下の奥から兵士さんたちが鎧をガッキンゴッキン鳴らしながら臨戦体制で駆けてくるんだもん。
自分、捕まりたくないからね。

え?
セブルさん?

……自分が逃げるまでの生贄になってもらいますがなにか?

はい最低、その通り。


*************°☆


自分は逃走後、いろいろな所を歩き回って今現在は中庭近くの二階の廊下にいる。

そして逃げる道中でも聞いた噂話しをここでまた聞かされる事になる。

「あのハセガワ候爵様が奥様を……」

「ええ、奥様を怒鳴り付けて離婚を宣言したらしいわ」

「まさか……あの愛妻家で有名なハセガワ候爵様がそんな……」

「……あ!!ハセガワ候爵が来たわ!聞こえるから話しや
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