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連隊の娘
第一幕その二
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て笑顔になった。岩の如き顔が彼女を見ただけで瞬く間に優しい笑顔になってしまった。
「来てくれたのか」
「皆ももうすぐ来るわ」
「それは何よりだ」
「あれ、その娘さんは」
「誰なんだい?」
「またえらく別嬪さんだね」
 村人達は彼女の姿を認めて言ってきた。
「あんたの妹さんかい?」
「それとも娘さんかい?」
「強いて言うなら娘だな」
 シェルピスはその優しい笑顔のままで村人達の問いに答えた。
「この娘はね」
「強いてって」
「また変わったことを言う」
 村人達には今の彼の言葉の意味がわかりかねた。それで首を捻るのだった。シェルピスはその彼等に対してこう話すのであった。
「この娘は戦場で拾った娘なんだよ」
「戦場でかい」
「じゃあ孤児だったのかい」
「私は赤ちゃんの時にこの連隊に拾われたんですよ」
 そのマリーがにこりと微笑んで皆に話す。話す笑顔がまるで太陽の様に明るい。

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