反転した世界にて5
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…」
『なに、もう一回したいんだ。ホントエロエロだよね、白上さん』
尽きることのない素人処女女子校生の性欲。
――普通、一般的な女性が男性との行為を想像するとき。大抵の場合は女性が精神的上位に立って、男性をリードするのが常識とされている。
けれど翔子の妄想はちょっと変わっていた。拓郎にエッチな言葉を言わせながら、自身のあられもなくよがる姿を見られて、興奮してしまう。
ちょっと苛められたいお年頃。オープンスケベにして隠れMな、白上翔子。
『今度は白上さんのココ、舐めてあげるね』
「うんぅ……おねがぃ……はぅっ!!」
翔子の妄想も留まることを知らず。行為は第二ラウンドへ。
――この日の自慰回数は、翔子の一日当たりの連続絶頂記録を大きく上回る好成績となった。
◇
女子には、――この世界の女性には、俗にいう"賢者タイム"と呼ばれるものが存在する。
性にあまり関心のない、どころか嫌悪感を抱いていることの方が多い男性にとっては、あまり聞きなれない、もしくは共感など望むべくもない言葉であろう。
しかし女性の――特に性に関心が強い思春期の女子にとっては、それは日常的で、且つ、呪われた言の葉なのである。
滾りあふれ出る性欲を粗方発散し、やがて訪れる"現実"に引き戻されるその瞬間から、それは始まるのだ。
具体的に例を挙げるとするならば、例えば、――朝。いつも目覚まし時計に叩き起こされる時間よりも、少し早く起きてしまって、しかもムラムラしていたとして。
大抵の女性は、そのまま、投げ出されてる両手を胸元と下半身へと動かすだろう。女性の性欲に、昼夜は関係ない。
しかし、現実は非常だ。やがて、時計の針は先へと進み、目覚まし時計がアラームを鳴り響かせて、彼女たちを現実へと引っ張り戻していく。
――これはあくまで一例であって、ともかく、"こんな感じ"で、容赦なく賢者タイムは訪れる。
これとは違う状況、パターンも無数に存在する。
そう、
「おい翔子、聞こえないのか!? もう夕飯の時間だぞ!」
「ひぎぃっ!?」
――延べ一時間以上、翔子は愛しの少年をオカズに自慰(十回以上は絶頂に辿り着いている)行為を続け、尚も続行しかけたところ、母親の乱入によりそれは阻止された。
その怒鳴り声が、下の階から聞こえてきただけならばまだ救いはあっただろう。しかし彼女は一人遊びに夢中で、父親の声に全く反応することができなかった。
故に、
「……あぁ、父さんも『するな』とは言わんがな。もう少し考えてしなさい、そういうことは」
「ご、ごめんなさい……」
「もう夕飯出来てるから、早く降りて来いよ。あ、着替えてからな」
「……」
こうして、彼女に"賢者タイム"が訪れる。
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