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我が剣は愛する者の為に
討伐
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、華琳や桂花は呆れたような顔を浮かべ、辺りに沈黙が流れる。

「油断した所に伏兵が現れれば、相手は大きく混乱するわ。
 混乱した烏合の衆はより倒しやすくなる。
 曹操様の貴重な時間と、兵の損傷を最小限にするのなら、最良の策だと思うのだけど。」

「誘いに乗らない場合の策は考えてあるの?」

気になったのか月火が口を挟む。
その質問も想定していたのか、余裕の態度を崩さず答える。

「この近辺で拠点になりそうな城の見取り図は、既に揃えてあるわ。
 あの城の見取り図も確保済み。
 誘いに乗らない場合は、内から攻める事もできるわ。」

「対策は万全、ということだな。」

あらゆる可能性に対しての対処をしているのに、星は感心するような表情で言う。

「分かったわ。
 この策で行きましょう。」

「華琳様!」

「これだけ勝てる要素が揃っている戦いで、囮の一つもこなせないようじゃあ、この先の覇道の道は歩めないでしょう。
 縁、貴方の部隊から囮と後方で奇襲する部隊を分けて頂戴。」

華琳に言われ、今回の作戦の内容をもう一度頭の中で復唱する。
誰が適任かを頭で思い浮かべながら。

「囮の部隊には俺、一刀、豪鬼、胡蝶。
 桂花の補佐を黎。
 後方には星、月火、優華。」

「ちょっと私と黎を離すなんて、ありえないわ。
 人員の再編成を申告する。」

この過保護は、どんな時でもぶれないな。

「駄目だ。
 この作戦はどれだけ囮が目立ち、後方の部隊がタイミングよく奇襲を行うかにかかっている。
 となると、今言った人選が一番良い。
 それが分からないお前じゃないだろ。」

「でも、私が目を離した隙に黎が貴様に襲われるかもしれないじゃない!」

「するか、ぼけ!!
 戦中に襲うほど余裕はないわ!
 黎からも何か言ってやってくれ。」

おそらく、俺がどれだけ言っても優華は折れない。
けど、黎の言葉なら優華は素直に従う。
俺の言葉を聞いて、黎は竹簡に素早く文字を書き見せる。

『縁様の作戦は間違っていない。
 お願い、優華。』

「よし、行くわよ。
 きっちりと奇襲を成功させようじゃない。」

可愛くお願いする黎を見て、掌を返すようにさっきと真逆の事を口にする。
これからは黎に全部任せた方が良いかな。
変わり身の早さに、一同は苦笑いを浮かべている。

「華憐、貴女は私の傍に。
 縁達が先陣に立つから問題ないと思うけど、本陣の守りをお願いするわ。」

「分かりました。」

「許緒も華憐と共に本陣の守りをお願いするわ。」

華琳の指示に許緒はコクリ、と頷く。

「では、作戦を開始する。
 全員、持ち場につけ!!」



後方から奇襲にかける
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