暁 〜小説投稿サイト〜
なりたくないけどチートな勇者
35*逆鱗に触れたようだ
[1/11]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話


「荒ぶる風よ!彼の者を吹き飛ばせ!!」

「この焔の矢でその心臓を射貫いてあげるわ!!」

「天の怒りの雷(いかずち)よ!罪深き者に神の裁きを!!」


はい、えーっとただ今自分、お城の裏側まで来ております。
そして周りではみなさん揃って魔法や矢やら……あ、剣ってそんな投げる物なの?
まぁそこらへんが雨霰、せわしなくそこら中から降り注いでおります。

しかも魔法が使えない方は武器をダイレクトに投げたり、魔力が無くなって力尽きた人がそこら中に倒れているくらいにカオスな状態になっております。

……いや、皆自分に向かってやってる訳と違うよ?

ただ、彼らが立ち向かっている強大な敵には攻撃が通らないのだ。
ぶっちゃけ、不自然にみんな逸れていく。

さてさて、その敵とは何かと言うとだ。

黒く雷を纏いながら渦巻く巨大で不気味な雲の下、巨大な翼を広げながら空中に浮いてる2次元と3次元の中間みたいなでっかいコマドリ……

まぁ、《地縛神 aslla piscu》です、はい。

実はさっき起きた後、食堂へ向かう途中で血相を変えたゼノアに出会い、何とかしてくれと頼まれたのだ。

なんでも、前回自分が出したまま放置していたところ、馬鹿(バリス)が挑もうとしたが全くもって攻撃が当たらず、それを見た周りの方々は『自分もちょっと…』とか思って攻撃を仕掛けたところ、まぁ当たらない訳よ。
そしたらみんな意地になって、この数日ここに我こそはって方々が集まり、何とか倒そうとしていた訳であります。

攻撃対象に出来ないのに、ご苦労様ですね。

だが、それだけならまだいい。
ぶっちゃけ、何とか倒せないかと画策した結果、やたらチームワークがととのって強くなった部隊もあるからむしろいい傾向なのだ。
だが、唯一にして最大の問題がある。

……逸れた攻撃が容赦なくお城を破壊してるのよね。

もう壁なんかないし、廊下まる見えだしの散々な状態である。
というかこれの壁は今日阿保(イノムさん)が放った一撃で一気に瓦解したとか。

……少しは考えろや。

まぁ、ようするにこれ以上の被害が出ないように地縛神を回収して欲しいという訳なのだが……

「ま、待って下さい!もう少し!せめて攻撃を当てるだけでも!」

「あと一日!お願いします!あと一日だけ待ってもらえませんか!!」

みなさんどうしてもコマドリ様を倒したいようで、二人の男女が自分を必死に止めているのだ。

……いや倒すとか、無理やろ。

「無理でしょう、攻撃当たらないし、何かまがり間違って当たったとしても攻撃力高いから返り討ちよ?」

自分は優しくこう諭すと、みなさんは納得せずにちょっとムッとしながら……あれ?

「……それは、私達がそ
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ