35*逆鱗に触れたようだ
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いつの間にやら一緒に盗み聞きをしていたと言う事だ。
エリザが気づいた時にはもう自分が出てくる直前で、彼女はエリザが声をかける間もなく即座にダッシュでどこかに消えたと。
……これは、明日には城中に話が行き渡るな。
いろいろ終わった。
「……まぁ、元気出せ」
「…………エリザに励まされるとか…終わった、なにもかも」
「おいこらナルミコノヤロウ」
オーアールゼットな感じにうなだれてると、エリザに叩かれた。
「痛い、やめろ。ギリギリの所であれに巻き込まれなかったからって、調子のんなや」
「うっ……まぁあと一日遅かったら私もあの中に混ざっていたしな……」
そういいながら顔を引き攣らせながら、エリザは後ずさって自分から少しづつ離れていった。
「……なぜに離れる?」
「いや……まだやっぱり危険かなぁ〜なんて……」
………
しばしの沈黙。
そして
「邪ぁぁぁぁ!」
「ひぃぃぃぃ!」
あ、たのしい。
エリザがアクセル全開で逃げてったけど、その姿がなんかたのし。
とまぁ、いつの間にやら怒りも収まっていた時、自分は後ろから声をかけられた。
「ずいぶんとエリザ姫様と仲が良いようですね、ナルミ様」
その声は、液体窒素よりも冷たく、殺気なんて生温いものではない、もっと禍々しい感情が込められた恐ろしいものだった。
油の切れたブリキ人形の如く首を後ろに回すと、そこにいたのは明らかな怒気と侮蔑を孕んだ目をしたダンディー執事、セブルさんが背筋を伸ばしてこちらを見据えていた。
「お嬢様を泣かせ、そのくせ自分は次の女に手を出すとは……まさに男の風上にも置けませんね」
「……べ、別に手を出した訳じゃないですよ」
やばい、変な汗が出てきた。
「お嬢様を泣かせた、については弁明しないのですね」
言い訳したい、めっちゃしたいけど……したら絶対殺される。
「それは事実ですが「なら、私も約束を守らねばなりませんな」……約束?」
やばいやばい。
汗がとまんねぇ。
「はい、約束でございます。はじめ、私は言ったハズです」
やばいやばいやばい。
このままでは脱水症状で死ぬのが先か殺されるのが先か。
「お嬢様が不幸になるなら、私があなたを消しに掛かると」
彼はそう言うと両手を広げ、宙に浮きはじめた。
すると彼の全身は強烈な光で包まれたが、しばらくしたら光は消えた。
そしてそこにいたのは
「我が名はセブル。セブルーデル・レーゼン・ブルム・ウェングル。夢と記憶、そして心を司る種族、心王種(ハーツ)の末裔なり」
四枚の虹色に輝く翼を持った、風になびく銀髪の長髪の隙間から悪魔っぽい角を覗かせる、やたらと凛々しいキレ眼の
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