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なりたくないけどチートな勇者
35*逆鱗に触れたようだ
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れで……許してぐれまずが?」

「ああ、保証する」

「ぐずっ……あぁぁぁん!!」

自分の言葉を聞いた彼女は、今度は自分の胸に泣きながら飛び込んできた。
自分はせんせーせんせー言いながら自分の胸に顔をあて、服を嬉し涙で濡らしてくれる彼女に少し困りながらもそっと頭を撫でながら、優しく背中を叩いてやる。

まぁ、今の状況ならこれくらいしかたないかな……

そう思いながらシルバちゃんを宥めてると、段々と泣き声も小さくなり、落ち着いてきたようなので安心している時、いきなり視界が激しく動いた。

「ちょっ!?なにんんっ!?んぬ!?」

「はぁ……んっ…せん、せぇ……はむっ……んん……」

「やった……ついに……」

……なにがおこったかと言うと、シルバちゃんに押し倒されて彼女の舌が自分の咥内へと侵攻してきたのである。

ちなみに押し倒される途中、自分は屋根裏からのぞき見をしている数人の影を確認した。
なんか自分の使用人とかになってる彼らである。

あいつら、気配もクソもかなぐり捨てて全力で喜んでやがる。
てか声まで出して、正直イラッときた。

もちろん自分も無抵抗でいるはずもなく、全力で引きはがそうとするが、なかなかどうして動かない。
むしろ一層きつく吸着してくる次第である。

自分がしばらくジタバタしていると、彼女は気がすんだようでやっと口を離してくれた。
まぁ馬乗りに乗られているのには変わりないが……そんな事より

「……シルバちゃん、早速約束を破るのはどういった了見かな?」

しょーじきこれは予想外。
まさかいきなし約束破られるとは、ぶっちゃけ裏切られた感がかなりある。

「今は自分は仕事中だし、何よりエリザの、姫様の部屋だ。こーゆー事をする時でも場所でもない」

イライラを隠さない口調で自分が言うと、彼女はもじもじしながら

「だって……先生が抱きしめてくれましたし……私といつまでも一緒にいてくれると言ってくれましたし……それに……」

シルバちゃんは再び自分に抱き着いてきて、うっとりするように、こう言った。

「皆が、こうやったら先生は喜ぶから、なにかあったら遠慮なくやったらいいって前に教えてくれて……誰かがいる時に見せ付けるようにやると先生が他人に取られないようになるし、その方が先生もより喜ぶって……」

そう言ってシルバちゃんは部屋の隅にいるエリザをいたずらっぽくちらりと見た。
そして再び自分に向き直り、満面の笑みで

「それに私、約束より許してもらったのが嬉しくて!ごめんなさい先生」

もうやられたよ、この笑顔に。

背景にお花が舞う勢いで全身から喜びを放出させてるその姿は、まさに満開の桜のような華やかさをかもしだしている。

その輝く笑
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