35*逆鱗に触れたようだ
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いる。
だけどね、自分達の脆弱な頭ではこれ以外のいい案が見つからなかったんだ。
とまぁ、そんな感じに方針も決まった所で、やっとこさ今日の授業へと入る事が出来た訳ですよ。
んで、ただ今エリザさんは自分による基礎の基礎、単位やら有効数字やらの説明をめっさ真面目に聞いております。
何でも、あまりに自分の中でエリザの評価が低過ぎたから見返してやるんだと。
うん、頑張って。
あんまり興味ないけど。
でもまぁ理由がなんにせよ、生徒が真面目に授業を受けてくれるって事は先生にとっちゃ大変楽な事なのですよ。
もとの世界ではもうちょっと真面目に寝ないで授業を受けてた方がよかったかな、なんてちょっぴり後悔もしつつ、何事もなくこのまま授業が終わる……
なーんて、そうは問屋がおろす訳ないですよね。
「んじゃあ755000を有効数字2桁でやってみて」
「んーと、7.5だから……7.5と10の5乗だ」
「あー惜しい。5の前にもいっこ5があるべ、だからくりあが「せーんせ!えいっ!」ふべらっ!!」
簡潔に言おう。
シルバちゃんの抱き着きタックルによる奇襲を受けた自分は机の角に腹を強打して奇声を発するはめになったのだ。
いかに体が丈夫になろうと、人が二人分の体重をただの一点で受けたなら、それはかなりなダメージになるのである。
まぁ何が言いたいかってーとだ。
「……ナルミ、生きてるか?」
「……か、かろうじて……」
腹を抱えて悶絶する事になったのである。
そしてうずくまっている自分の背中では、シルバちゃんがスリスリしながら
「うりゅ〜、せんせー。昨日は寂しかったんですよ〜。いくら待っても帰ってこなくて心配だったんですからね」
そう言ってウリウリと自分の背中にのの字を書くように指をクリクリ動かしている。
なんかこそばゆい。
「でもでも!セブルが言うには先生はお父様に私との関係を認めてもらって!これからの結婚生活をどう過ごしたらいいかという助言をしてもらうために私の家に行ってたから帰ってこなかったんですよね!!私もうそれを聞いた時は嬉しくて……もぅ、優しい旦那様。私はあなたに一生を捧げますわ」
……セブルさんよ、何故にそんなウソをつく?
シルバちゃんを自分(馬の骨)なんかに渡さないんじゃなかったのかい?
そして最後のフレーズ、つい最近聞いた事あんぞ。
さすが母娘だ。
頭の片隅でそんな事を考えながらうずくまっていると、段々と痛みも引いてきたので何とか張り付くシルバちゃんをよけて立ち上がる。
そして、意を決してさっき決めた事を実行……
「シルバちゃん、自分は今仕事中なんだ。だからそう言うのはやめてくれないかな?」
……できんかった。
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