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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
【第三十一話】
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伝おっか?」


 そう声をかけてきたのは我が妹の美冬、他のクラスメイトはさっさと帰っていった――と思えば、セシリアも残っていた。


「わ、わたくしもお手伝いしますわ」

「おー、助かるな。じゃあ――」


 そう俺が言いかけるのを遮るように、織斑が俺に言った。


「お、おいヒルト。 セシリアや美冬にも手伝わせるつもりか??」


 ……何故美冬を呼び捨てにする?

 ――ではなく、手伝ってもらうのに何か不都合でもあるのか?


「……肉体労働は男の仕事だろ? それを女に手伝わせてたら男が廃るぜ…?」

「……はぁ? 女性でも肉体労働してる人はいるぞ? ――それに、手伝ってくれたら早く済むし、俺は厚意に甘える――」

「ま、待てって。 だからってセシリアや美冬たちに手伝わせる理由もないだろ」


 ――何だ、何でこいつはセシリアや美冬を手伝わせるのを……。


「……織斑がどんな価値観を俺に押し付けてきても、妹やセシリアが手伝うって言うなら俺は手伝ってもらうだけだ」

「それって、男として俺はどうかと思うぜ?」


 ――どうやらこいつには話が通じないようだ、これ以上無駄な話するぐらいなら受け入れるか。


「わかったよ。 ――悪い美冬、セシリア。 せっかく手伝ってくれるって言ってくれたけど、何とかやってみるよ」


 俺がそう言うと、美冬とセシリアは互いに顔を見合せ、そして――。


「いいの、お兄ちゃん? 手伝った方が早く済むよ?」

「そうですわ、わたくしたちに遠慮なさらずに」

「……ありがとう、でも一人でやるよ。 ごめんな、美冬、セシリア」


 厚意を無下にする、俺としては非常にやりたくなかったが……。


「うーん……。 わかった、ならお兄ちゃん頑張ってね? セシリア、いこっ?」

「え、えぇ。 ではヒルトさん、後程……」


 二人はそう告げながらも、気になるのか時折此方を見ながら戻っていった。

「……とっとと埋めるか」
「ヒルト、終わったらこっちを手伝ってくれないか?」


 そんな言葉が耳に届く。

 正直、虫が良すぎると思わないのだろうか?


「……断る」

「何だよ、つれないな。二人だけの男子だし、仲良くしようぜ?」

「……したいなら、下らない自分の価値観を俺に押しつけるな」

「えっ、何だって?」

「……何でもない、二人分取ってくるから先に自分の所、埋めとけば?」

「……何を怒ってんだ、あいつ?」


 そう織斑に告げると、俺は二人分のスコップと土を取りに用具室へと向かって行った。

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