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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
【第三十一話】
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は、二人とも始めろ」


 織斑先生に言われ、俺と織斑は互いに距離を取り、離れる。

 周りや正面に人がいないことを確認すると、天高く右腕を突きだし――開いた拳を握りしめ。


「来い……天狼っ!!」


 武器の名を呼ぶと、空に光が集まり、それが像を結ぶと形となって成立した。

 そして、その光が収まった頃には、『天狼』が空から降りてくる。

 それを手に取り、斜めに振るうと刃は空気を切り裂き、そのまま構えた。

 隣の織斑も同じく、既に武器を出していた。

 ――俺と織斑の差は、この辺りにも出ている。

 武器の名を呼んで形成するのは、初心者のやり方。

 呼ばずに心で念じられるようにならなければいけないのだが。


「二人とも遅い。 0.5秒で出せるようになれ」


――精進しないとな、俺も。

 ……でも、いつになることやら。


「セシリア、武装を展開しろ」

「はい」


 セシリアは左手を肩の高さまで上げると、そのまま降ろして真横に腕を突き出す。

 光の奔流を放出することなく、一瞬爆発的に光を放っただけだった。

 それだけで、その手には狙撃銃『スターライトmkV』が握られ――。

 ゴツン――。

 そんな鈍い音が聞こえたと思ったら時既に遅く、セシリアの狙撃銃の砲身が俺の顔面に直撃していて、めり込んでいる。


「ぐぉ……いてぇ……」

「……!! ひ、ヒルトさん、大丈夫ですか!?」


 まさか顔面にめり込むほど直撃するとは思っていなかったので、セシリアも慌てて俺に声をかけてくれた。


「ら、らいじょうぶらいじょうぶ…」


 絶対防御機能はついていても、衝撃自体はくるのだから、けっこう痛い。


「オルコット、そのポーズはやめろ。 当たったのが有坂だったからいいようなものの、他の生徒に当たっていたら問題になっているぞ。 正面に展開できるようにしろ」

「は、はい。わかりました。 ――ヒルトさん、すみません……」


 ――おぉぅ、俺ならぼこぼこにされても大丈夫って……最近のニュースでの取り扱いの違いの差ぐらいに。

 ――政府の支援自体は、まだ俺にもあるのだが、やはり織斑先生の弟ということもあり、明らかに俺より破格の待遇を受けているのだ、織斑は。

 まあ別に、そんな事でどうこう思っても仕方ないのだがな、これが。


「ではセシリア、近接用の武装を展開しろ」

「あ、はっ、はいっ。 ……ヒルトさん、離れてくださいな」


 眉を下げ、さっきの事を申し訳なく思っているらしく――。


「あ、あぁ……。 また顔面に直撃はキツいしな」


 わざとセシリアに意地悪く言って
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