13 「★★★『渓流のジャギィ討伐作戦』」
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えば最低ランクの赤にまで下がっているといったところか。あのまま無理をして次のエリアに向かっていれば、途中で刃が折れたかもしれない。
「それから、もう1つ。君がそんな無理をしてまでジャギィノスを狩ったというのは、エリザを貶すことになる」
「え?」
「ガンナーだからって、たかがジャギィやジャギィノスのタックルの1撃や2撃、余裕なんだから。甘く見ないで!」
「つまり、もっとパートナーを信用しろって話しさ」
ガンナーは細かい作業をしたり機動力を重視するために、総じて剣士装備よりも防御力が低い。それを知っていたからこそリーゼも必死になってジャギィを屠ったわけであるが、それを肯定的に受け止めるということは、ガンナーは剣士が守ってやる存在だと言っていることと同等になる。
確かに普段の戦闘配置から、ガンナーの前には剣士が身を張って敵を引きつけて守っているというイメージがあるし、実際そうとも言えるわけだが、同時にガンナーは遠距離から敵の注意を引きつけて、攻撃力の高い剣士に攻撃のチャンスを与えるという役も引き受けている。彼らは対等でなければならない。それは下手をすればパーティの決裂にもなり得るからだ。
「ごめん」
「分かればいいのよ」
「それから、2人とも焦りすぎ。もうちょっとゆっくり狩りをすること。落ち着いて」
2回目の狩りはエリア2を経由して野生アイルーの里を抜け、朽ちた鳥居と洞窟の入口があるエリア9へわたった。古いながら未だハンター達がお世話になっている頑丈な吊り橋から、エリザが先制攻撃をしかける。ハンターボウUの連射性能を生かし、群れへと矢の雨を降らせた。ジャギィ達は空からの突然の襲撃に混乱し、やかましくギャアギャア叫んでいる。
ギアア!!
血飛沫が飛んだ。右往左往するジャギィの首を的確に狙ったリーゼの連撃だ。背中から迫るジャギィはエリザに任せ、目の前の敵に専念する。ジャギィを狙った矢がリーゼに当たるのではなどということは考えなかった。エリザを信じると決めたからだ。
その後ドスジャギィに会うこともなく狩りは順調に進み、夕方前には20頭のジャギィを狩ることができた。帰りの竜車の上ではくたくたの2人が敷き詰められた藁の上でぐったりしている。その様子をナギは笑って見ていた。
「おつかれさん。エリザは随分精度も上がったね。そろそろ曲射の練習も始めよう」
「ええ…」
「リーゼロッテはあのあとよく頑張ったね。パートナーを信じきるというのも、なかなか勇気がいることだ。目の前にモンスターがいるなら、なおさら」
「はい…」
「村に着いたら、今日は奢るよ。一楽亭に行って、好きなだけ好きなものを頼むといい。遠慮はしないで。こう見えても、お金は結構あるから」
その証拠があれだけ大枚をはたいて作られたナギの太刀やルイーズ
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