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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
【第三十話】
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なのか、俺にはわからない。

 少なくとも、俺が篠ノ之に話しかけるとまるで敵を見るような目で睨まれる。

 織斑が良くて俺が駄目――。

 そこから導き出されるのは……まあ単に織斑が好みって事だろう。

――織斑は正直モテる。

 俺よりもISランクが上で、織斑先生の弟という立場からか、色んな女性からアプローチをかけられていた。

 美冬とセシリアは興味が無いのか、普通にクラスメイトとしてしか話をしていないが……。


「ヒルトさん、よろしければまた放課後に指導してさしあげますわ」

「あぁ、悪いな。だがセシリアも――」


 ――そう言葉を続けると、隣の織斑が会話に割って入ってきた。


「なあセシリア、俺もヒルトと同じように教えてくれないか?」


 一夏は出会った当初からセシリアを呼び捨てにしている。

 セシリア自身も何度か訂正させたものの、結局折れて好きに呼ばせる事にしたって言ってたな。


「あら? 織斑さんには篠ノ之さんというコーチが――」


 セシリアが話していると、更に割って入るように通信回路が開き――。


「一夏っ! いつまでそんなところにいる! 早く降りてこい!」


 ――篠ノ之の怒鳴り声が、俺やセシリア、織斑の耳に響いた。

 少しは俺やセシリアの迷惑も考えてほしいものだが、視野が狭いのか、そんなこと構わずなのか……。

 それはそうと、地上では山田先生がインカムを篠ノ之に奪われておたおたしている。

 何故、俺たち三人が地上の山田先生や篠ノ之、他のクラスメイトが見えるのかというと、ISに備わっているハイパーセンサーによる補正のおかげだ。

 上空二百メートルのこの位置から、クラスメイトの顔や睫毛まで鮮明に見える……。


「ヒルトさん、これでも機能制限がかかっているのでしてよ。 元々ISは宇宙空間での稼働を想定したもの。 何万キロと離れた星の光で自分の位置を把握するためですから、この距離を鮮明に見えるのは当たり前の事ですわ」

「へぇ…。 でも、そうなると何で武器が必要なのか、スポーツに変わったのかわからんようになるな」

「それは――」


 セシリアが言いかける中、織斑先生が――。


「有坂、織斑、オルコット、急降下と完全停止をやって見せろ。 目標は地表から十センチだ」

「……了解です。 ではヒルトさん、織斑さん、お先に。 ――ヒルトさん、無理はなさらないでくださいな」

「あぁ、無理はしないさ、これがな」


そう俺に告げ、俺が返事をするとセシリアは微笑み、そのまま急降下を開始した。

 小さくなっていく姿を見ながら、俺は排熱処理をし、再度ブースターを点火すると、織斑から離れて全
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