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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
【第三十話】
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「つべこべ言わずに飛べ! そのISに装備された背中や各種装甲についたブースターやスラスターは飾りか?」


 ――飾りじゃないけど、燃料持たないんだよな。

 ――皆から少し離れた位置に移動する。

 ブースターの点火による熱を、皆に巻き込まないためだ。

 ――システムオンライン、ブースター及びスラスターを点火します――

 そう女性の機械音声が頭に鳴り響くと、各種スラスター及びブースターが点火され、装着されたプロペラントタンクの燃料配分の調整を行う。

 そして――起動――。

 起動すると、轟音が鳴り響き――体を持ち上げる感覚が広がるのを感じるとその場から跳躍した。

勢いそのまま、ブースターとスラスターによる加速力でISを無理矢理飛ばせた。

 本来のISの急上昇及び急降下は、『自分の前方に角錐を展開させるイメージ』らしいが、そんなもん展開したことないからわからん。


「ヒルトさん、掴まってくださいな」

「わ、わりぃな。 迷惑かけるよ」


 加速力の凄まじさからか、気付くと俺は織斑を追い抜いていたようだ。

 差し伸べられたセシリアの手を取ると、そのまま持ち上げられ、セシリアの肩を借りる。

 密着した状態だからか、セシリアの頬が紅潮していくのが見える。

 ――正直俺も、心臓の鼓動が速くなるのを感じ、非常に落ち着かなくなる。

 ――後、織斑も来ないと、セシリアの負担が大きいからそういった意味でも早く来てほしいと切に願った。


「こほん……。 織斑さん、イメージは所詮イメージですわ。 自分がやりやすい方法を模索する方が建設的でしてよ…」

「そう言われてもなぁ。 大体、空を飛ぶ感覚自体がまだあやふやなんだよ。 ヒルト、肩貸すぜ」

「あぁ、頼むよ」


 空いた左腕で織斑の肩を借り、セシリアの負担を減らした――。


「しかし、飛べないといつまでも不便だな、俺的には。 ――しかし、どうやって浮いてるのか不思議なものだ」


 セシリア、織斑のISを俺は交互に見ると、セシリアが口を開く。


「ヒルトさん、説明しても構いませんが、長いですわよ? 反重力力翼と流動波干渉の話になりますもの」

「――確か、反重力力翼は、簡単に言うとISに掛かる重力を無重力にし、流動波干渉はその力で旋回やら加速やらをするとかだったかな……?説明下手で悪いが」

「ふふっ、少しだけ正解ですわね」


 そう言うと、どこか楽しそうに微笑むセシリア。

 前回のセシリアの親の話を聞いてからか、前以上に仲良くなれた気がする。

 後、美冬と一緒に俺のコーチもしてくれている。

 織斑の方は、篠ノ之から教わっているようだが……二人がどんな関係
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