第五十四話
[4/5]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ったら尚更、わたし……償いたいの」
真剣で迷うことなく一途な、そんな姿を見ると無条件に認めてしまいたくなる。
レイミアのことで自分をきっと責めているのだろう………その代償となることをしたい……そう思っていることも痛いほどわかる。
「……償う必要があるようなことなど無いんだから自分を責めちゃいけない」
「違う! みんな何も言わないけど、全部あたしが悪いんだもん……」
心無い第三者から見れば泣き落としにしか見えないだろうけれど、涙ながらに訴える彼女の真剣さ、切なさ、辛さはよくわかる。
もし、無理に帰らせたところで、また嘘をついて途中で引き返してきた時に戦に巻き込まれたら……それに、素直に聞いて帰ったとしても彼女の心はずっと苛まれるだろう……
「いや、あの時、みんながお前のことを置いてやれって言ったんだし、レイミアは命に代えてもなんとかするって言ったんだ。 ……ちょっと体の自由が効かなくなったけど彼女は生きている。 だからいいんだよ」
「でも、あなただけは、そうじゃなかったもの……それにレイミアの身の回りのお世話する人だって要るじゃない……そんなことじゃ全然だけど、少しでも責任とらせてほしいの」
俺の中ではとっくに答えは出ていたけれど、素直になれない自分はなんて愚かなのだろう……
なんのことは無い、心の中ではみんなを巻き込んだ自分が悪いなんて思っておきながら、彼女のことをどこかで責めつづけているんだ、俺は。
一番つらい目に遭わされたレイミアが、そんなこと微塵にも表さないのに、何なんだよ、俺は……
「…………………この前は、もう知らないとか特別扱いしないとかさ、酷いこと言って、すまなかった。 これからも、居て欲しい」
「……いいの? ほんとに?」
「もちろんだよ。 それに……口では気にするなとかお前は悪くないって言っておきながら、お前のこと、心のどこかで責めていたかもしれない……許して欲しい」
「許すも何も……ミュアハは何も悪くない! あたしのほうこそ、自分の気持ちを少しでも楽にしたいだけで我儘言ってるだけだもん……」
迎えの方々には非礼の極みと思いながらもクロード神父のもとへとお帰りを願った。
しかし、彼らなりにダーナの事情を知ったようで生き証人としてここに残ると申し出てくれ、随員の一人だけは事情を知らせるために帰還の運びとなった。
帰還する使者を見送った後、再び会うことになったのは……あの美貌の占い師だった……
その後、シグルド公子、マナナン王、それに主だった街の方々を交えて対策会議を開いた。
もちろんレイミアは俺の傍に居てくれる。
三つ、いや、ダーナも加えれば四つの勢力で構
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ