第五十四話
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があったのか未知数だったが、俺が全責任を持つと宣言することによって彼らも不審を表立って表すのを控えてくれたので多少は信頼を勝ち得ていたのを知ることになった。
これに先立ちマナナン王についてはどうだったかと言うと、グランベル軍を追い払ったことやリボーとの戦での被害はあくまで戦闘員同士でのものに留まったことにより大きなしこりは残っていないようだ。
シグルドさんを俺たちの詰所に招待し歓待すると共に、レイミアと、そして彼女とのことを報告すると大層驚かれると同時に、自分以外がどんどん所帯持ちになってしまうと笑いだした。
「笑い事ではございませんぞ、公子をお慕いしておられるお方は今か今かとお声がかかる日を待ち侘びておいでなのです」
「はははっ、ミュアハ王子、大人をからかうものではない。 私にそんな人など……未来の公爵夫人になりたいからというお方達ならばそうであろうが……」
「いえ! 公子その人を想われておられる方がおいでなのに気が付かれておられぬだけです!」
「……まぁ、そういうじれったい二人を眺めているのも乙なもんだよ」
ブリギッドさんがそう締めると、彼は少し憮然とした表情を見せたがすぐに改め、
「そういえば行軍中にシルヴィア君を迎えに行くと言っていた方達が居たので同道してもらったよ。
……私はあの子とミュアハ王子が結ばれると思っていたのだが……人生は色々あるというやつだね、はははっ」
「迎えの方がお出ででしたか、なかなかいらっしゃらなくて気を揉んでおりました」
「明日にでもお引き合わせするよ」
リボーとの戦、そして先日のグランベル軍との戦の話を伝えると全面的な協力を約束してくれた。
そんな簡単に信じたりしていいのかとの思いもあるが、街を荒らしたのがグランベル軍の手によるものならば、むしろ自分がそれを止めなければならないと熱く語ってくれた。
……シアルフィ軍が城外で街を守護していると思うと安心してその夜は過ごすことができた。
翌日、迎えの使者達が詰所を訪れてくれたので、シルヴィアを交えて話し合いを始めた。
急を要する負傷者への治療、両腕が思うように動かないレイミアの身の回りのことを手伝ってくれたりと、得難い人材ではあるけれども、これ以上危険に晒す訳には行かないという気持ちもある。
ただ、結局のところこの子は自分のやりたいようにしかしないしという諦めのような呆れたようなそんな気持ちもある…………
「こうしてはるばる迎えにきていただいたのだし、神父様のもとに戻ったほうがいいよ」
「……お願いします。 どうかあたしをここに居させてください。 言いつけは絶対破りません」
「またここは戦場になるのだからいけないよ………」
「だ
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