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俺屍からネギま
暗雲
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呟いた言葉は誰にも聞こえない小さい言葉であったが……


「…ほら、陣はんウチらがおるんやから…なっ?」
何と無く陣の思っていた事や寂しさが分かったのであろう鶴子は陣の背中に手を当てて優しく諭す様に声をかける。
「あぁありがとな…鶴子」
鶴子の優しさが分かったのか陣は礼を言うと皆で休憩所の椅子に座り、気持ちを切り替えて話しをしだす。


「そういやぁー詠春さんって修行の旅に出るって聞いたけどホントか?」

「ん、ああそうなんよ。詠春はんが木乃実さんと婚約したのを良く思っていない連中が多くてな……木乃実さんの婚約者として相応しい漢になるゆーてな〜。」

「そうなんですか?しかしその為の後ろ盾として青山宗家に養子として入ったんやないの?」

「まあな〜ケド…お父様が後ろに居るから表立って言う人は居ないんやけど、影でコソコソと詠春はんが聞こえる位には言ってたんよ。お父様は気にするな言うてたんやけど…詠春はんはもう我慢出来なくなったみたいでな、旅に出る言うて聞かんのよ…ハァ」

「…大変何ですね。」

「まぁ木乃実さんや冬凰さんに直で物言える何てそうは居ないからな、必然的に詠春さんがそう言うやっかみを受けるんだろーな。実力は充分にあるのにな、精神的にブレやすいとこあんだよなー詠春さんって。」

「まぁな〜気持ちは分からんでも無いんやけど…来月から亜細亜や欧州に行くっちゅー話しやで。」

「何だ海外行くのか?詠春さんの事だから女には手出さないだろーが……欧州か、彼処は魔法使い達の本拠地みたいなトコだろう大丈夫か?アッチ側はかなりきな臭いって話しだぜ。」

「ウチもそこが心配何や…流石の詠春はんも魔法使いらの厄介事に首突っ込まないやろーけどなぁ。欧州何て話しが出たのはもしかしたらぬらりひょんのせいかも知れんな。」

「おいおい、麻帆良のぬらりひょんと連絡とってんのか!?冬凰さんだけじゃなくて幹部連、実の娘の木乃実さんだってぬらりひょんを嫌ってんだぞ?」

「表立ってはしてへんよ、時折影でコソコソしとるからな…まぁ詠春はんにとっては義父になるんやし 無下には出来ないんやろーな……ハァァ」




ちょいちょい


「「ん?」」


陣と鶴子が二人で話し込んでいると先程から二人の話しを黙って聞いていた千草が隣にいた鶴子の袖を引っ張ると陣と鶴子が千草に顔を向ける。


こっちこっち

「……zzz…zzz……」
千草が自身の肩に寄り添って寝ている刀子を指差す。


「「「ふっ…」」」
刀子がヨダレを垂らしながら寝ている刀子を見ると三人は顔を見合わせて笑いあう。


「もうすぐ明方だしな…俺が背負うよ、お前らも寝ろ。」

「せやな、行こっか…陣はん、一緒に寝るか?」

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