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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
【第二十六話】
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どうも『クソ野郎供』――その一言にムカついたのか、左肩を掴んでいた男が此方を殴ろうと拳を振りかざした――。
瞬間、咄嗟に肩を掴んでいた二人の両手を振り払い、その場で屈むとその男の拳が空を切り、俺の右隣の男の顔面に直撃していた。
「ぐっ……!? な、何するんだてめぇ!?」
殴られた右隣の男は仲間の拳により、若干鼻から血が出つつ、殴った仲間の元へと詰め寄り、胸ぐらを掴んで口論を始めていた。
……逃げるチャンスかな、このままだと警察が来て面倒な事になりそうだし。
「未来……逃げるぞ?」
未来の手を取り、俺は反応を見た。
「えっ?――うんっ♪」
その返事を聞くや、そのまま未来の手を引いて集まり始めた野次馬の中へと入り込み、人混みに紛れるように俺達二人はその場から立ち去った。
――十分後――
小さな脇の小道に入り、俺達二人は息を整えていた。
「はぁっ、はぁっ……。 ここまで来れば大丈夫だろう」
「はぁっ……。 う、うん……。 ひ、ヒルト……? その……ね? そろそろ手を……」
息を整え、手を握られてる恥ずかしさからか未来の顔は先程よりも真っ赤に――例えるなら熟したりんごのように赤くなっていた。
「う? ……悪い、いつまでも繋いでて」
そう伝え、未来の手を離すともじもじしたように両手で自分のスカートの裾を掴んだ。
そして、何か此方に言いたそうな表情をしていた。
俺は、そんな未来が何を考えているのかがわからなかった。
――そして、未来はゆっくり口を開く。
「あの、さ。 ――さ、さっきの……か、『彼女』……って……?」
――咄嗟にナンパ男達を未来から守るために言った俺の彼女発言、まさか今、未来から聞かれるとは思っていなかった。
……まあ流石に迷惑と思っているかもしれないな。
「あぁ、その――ああ言えばナンパ男達も諦めて帰るかなって思って咄嗟に――」
「そ、そうだったんだ……。 ――そぅ……だよね……」
「……?」
最後の方の言葉は、小さい声で聞き取りづらかったが、表情を見るには落ち込んでいるように見えた。
再度思うが、暫く会わない内に……何か未来の俺に対する態度が変わったような気がする。
「ま、まぁナンパ男達の問題もなくなったし、気をとり直してさ、一緒に買い物にいくぞ?」
「あ……。 ――う、うん! 行こう、ヒルト♪」
先程と変わり、ぱぁっと笑顔が戻った未来に安堵し、俺は未来に腕を引かれて小道を出た瞬間、俺を呼ぶ声が聞こえた。
「――ヒルトさん?」
「「えっ??」」
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