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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
【第二十五話】
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が、俺には非常にありがたいと思う、素直に甘えるかな。


「……じゃあ、今日は未来に任せてゆっくりするかな。 ありがとう、未来。 助かるよ」

「え? ……ううん。 じゃあ、洗い終わったらヒルトの部屋に行くからね」


 その言葉を訊き、そのまま二階の自室へと戻った。

 ――が、そういや荷物まとめてなかった事に気付き、必要な物を用意し始める。

 ――色々持っていっとくかな、エロ本無いが……。

 ――鞄に荷物を詰め込み、準備をしていると、またパタパタと階段をかけ上がる足音が聞こえ――。


「ヒルト、洗い物終わっ――わわっ!?」

「……未来ッ!?」


 未来の声が聞こえ、振り向くと、慌てたのか足が縺れて転けそうになっている未来を見て慌てて抱き止めるように受け止めた。


「おいおい、慌てすぎだろ未来?」

「う…うん。 ……ぁ…っ。 ――ち、近いから……顔……ッ」


 抱き止められ、密着した状態から上目で見つめる未来の瞳は少し潤んでいた。

 ――しかし、柔らかいな…むにゅって当たって。


「……悪い悪い、怪我させないためって思って抱き止めたが……セクハラになるな」

「あ……べ、別に……構わないけどね。 ひ、ヒルトなら……嫌じゃないから…」


 嫌じゃないから?

 ――幼なじみだから気兼ねないって事かな。


「――てか、何で慌ててたんだ?」


 密着したままだと、色々と俺がまずい――流石に未来相手に欲情したとなると、幼なじみの関係が気まずくなるかもしれない。

 ――名残惜しいが、未来をゆっくり引き離すと――。


「あ……」


 小さく未来が声をあげた。

 その声を聞き、軽く未来の表情を見ると気恥ずかしいような、それでいて少し残念そうな表情に見えた気がした。

 見間違えの可能性が高いが……真相は闇の中だ。


「――んで、何で慌ててたんだ?」

「あ、えっと……ね? その……ヒルト? この後時間ある……かな?」
「ん? ――今日は日曜日で休みだしな、時間はあるぞ」

「な、ならさ、久しぶりに一緒に出掛けない? ヒルトも買いたい物とかあるでしょ?」


 確かに……買うものあるかもな、これが。


「構わないぞ? なら久しぶりに一緒に買い物行くか?」

「う、うんっ♪ じゃ、じゃあ、一度家に戻って着替えてくるね!? ヒルトは前で待っててねっ♪」


 そう俺に告げるや、また慌ただしくパタパタと階段を降り、パタン……っと玄関の扉が閉まる音が二階にまで聞こえてきた。

 学園へと持って戻る荷物を詰め込んだ鞄を肩にかけ、家の全ての戸締まりを確認すると、俺は玄関から外へと出た。

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