反転した世界にて4
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だろ? 擦れて気にならないの?」
「……ブラを着ける恥ずかしさと比べたら、なんでもないよ」
「不感症め」
「失敬な」
気にしないようにはしてはいたけれど。
荒井くんに指摘されれば意識してしまう程度に、服が乳首周辺がTシャツに擦れて刺激が伝わってくるのを、忌々しくは感じてる。
感じてるんじゃない。ないったらない。ビクンビクン。
「色々と興味深いけど、話が進まないから次行くぞ。二つ目についてだ」
「おうともさ」
「拓郎と俺は親友じゃなくて、拓郎はクラスでハブられてるって話。……ん〜、これは、ある意味その通りかもしれない」
「どういうこと?」
煮え切らない態度で、言葉を濁す荒井くん。
ある意味、ってのがとても重要なことを言っている気がするので、余計なことは口にしないことにする。
「俺はまあ、その、なんだ。拓郎と絡むのは楽しいし、なんだか放っとくと危なっかしいから、自分で言うのもなんだけど、お節介なくらい構ってたと思う」
「お、おぅ」
いきなり何言いだすんだコイツ。
この荒井くん、デレすぎだろ。
僕の知ってる荒井くんは、九割九分ツンで、デレは一厘。残りの九厘は無関心、ってくらいの激烈ハードなツンデレのはずなのに。
すごく複雑な気分だ。どうかお友達としてお付き合い願います。
「でも、拓郎の方から俺に絡んでくることは、滅多になかった」
「薄情な奴なんだね」
「おめえだよ。まあ、無口でいつもボーっとしてるから、そんなもんなんかな、ってくらいにしか考えてなかったな、俺は。……で、拓郎ってそんなヤツだったし、クラスでもまあ浮いてたんじゃないかな。HRや休み時間中はいつも寝てるらしいじゃん? そりゃ、近寄りがたいよ」
「誠に遺憾である」
僕が休み時間中に机に突っ伏すようになったのは、周りから指さされて、クスクスと嘲笑われているのを視界に入れるのが嫌だったからなのに。
「正直な話、拓郎は他人が嫌いなんだと思ってたよ」
「それは誤解だ」
そりゃまあ、ことあるごとに陰口悪口を言われたりして、怒りを覚えたことがないとは言わないさ。
むしろちょっとしたことがある度に、やるせない気分に陥って、自己嫌悪とも恨み辛みともとれる気持ちを抱いていたりした。
それでも。そのくせ。
そのざまで、出来ることなら――いやそんな消極的にではなく、心の底から。
本音を言い合える友達や、一緒に手を繋いでくれる恋人なんかに、憧れていた。
「……うん、まあ、だったらさ。今日はいいキッカケになるんじゃないか? 白上に弁当作る約束もしてたし。うまく回ってると思うよ。なんならクラスの女子全員分作ってやれよ。神として奉られるかもよ」
「そんな裕
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