反転した世界にて4
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「一つ、拓郎の言うところの元の世界には男性専用車両や男子更衣室なんかなくて、男はブラなんか着けない。『コスプレ喫茶を敢行』なんて騒ぐのは男子の方である」
「うん。間違いない」
「二つ、拓郎と俺は親友ではなく、顔見知り程度の関係。クラスではハブられていて携帯電話のアドレス帳には両親以外に登録されていない」
「う、うん……間違い、ない」
「三つ、B組の担任は男性教師で、体育の担当も男性教師だった」
「うん。その通り」
「お前の話から読み取れるポイントは、大体この三つだな」
実に簡潔にまとめられてしまった。荒井くんって頭良かったんだね。
普段、勉強の話とかしたことないから、勝手に僕と同レベルだと思ってたよ、ごめんなさい。
「今度は俺の番。俺の、ないし世間の一般的な常識についてだ。拓郎の話と照らし合わせながら話すからな」
「よし来い」
なんだかやたら生き生きとしているけれど。あれかな、議論をまとめたり知るのに快感を感じるタイプなのかな。クラス委員長とかやってそう。
完全に荒井くんのペースに飲み込まれている僕。だけど楽なので、ここは流れに乗っておこう。
「まず一つ目についてだけど、俺の知る限り女性専用車両なんて聞いたことはない。女子更衣室は大きい学校とかならあるだろうけど、うちの高校にはないな。男がブラを着けるのは当たり前だし、『コスプレ喫茶を敢行』だなんて騒ぐのは女子に決まってる」
「……つまり、僕の感じた違和感は、この世界じゃ異端だってことだよね」
「だな。つーか、男女の価値観が入れ替わってるだなんて、簡単に言うけどさ。じゃあなに、拓郎の世界では女がブラを着けてるのか? 女性専用車両があるってことは、女が痴姦……、猥褻行為の被害に遭ったりするわけ?」
「うん。ついでに言うなら、男はこんな可愛らしい喫茶店でケーキやパフェを食べたりしない。あと、購買で戦利品を確保するために、廊下を爆走したりするのも男子の方だ」
「徹底してるな……。ん、ってことはなんだ。拓郎はその世界の男なんだろ? 女のパンツとか胸を見て興奮するってこと?」
「しないと言えば嘘になる」
「正直に言うと?」
「めちゃ興奮する。ぶっちゃけ、体育の時間に鼻血出して倒れたのって、白上さんのおっぱいにやられたからなんだ」
「白上のってお前……飢えてんな。まあ、男女が入れ替わってるなら不思議じゃないか。この世界の女も、割とそんなだし」
「思春期の男はコーラの瓶を見て欲情したりするよ。僕はしないよ」
「そうだな。思春期の女はコーラの瓶を見たら挿れたくなる、なんて言うくらいだからね。あべこべだけど、そっくりだ」
少々ニュアンスが異なる気がする。
でも言わんとしていることは同じだ。
「拓郎、いまもノーブラなん
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