反転した世界にて3
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くんむすっとしてるな。しかもナチュラルに呼び捨てだし。
いつもの彼なら、こんな美少女を目の前にしたら、『俺はこれから白神さんとランチタイムだから、拓郎は便所にでも行って食ってこい』って言って追い払ってくるのに。
虫の居所が悪いのだろうか。
……いや違う。この構図は、いまの価値観だと"女同士の会話に割り込んでくる男"の図なのか。
でも僕も男だし。ん、いや男だから、女が割り込んでくると……――。
頭がおかしくなりそうだ。既におかしいのかもしれないけど。
「まあまあ、そう言わずにさ。私も混ぜてよ〜」
「身の程知らずな……。僕らそんなに仲良くないよね?」
「だ、だからこそ、交友を深めるためというか……」
「……まあ僕も鬼じゃないし、真摯な態度で頼めば、聞いてやらないこともないよ」
「お、おいおい、荒井くん……」
笑顔で話しかけきてくれる美少女に対し、厚顔無恥極まりなき不細工男子の図。
身の程知らずはどちらなのか。
「な、なんだとう……っ!」
荒井くんのあまりに不遜な態度に、白上さんの語気が増す。
いいぞ、ガツンと言ってやれ!
「――男の子たちと一緒にお昼御飯が食べたいんです……。私も混ぜてください……。後生です……」
「素直でよろしい」
あれ?
な、なにこの状況。この荒井くん、マジで何様のつもりなの? ぶん殴っていいかな。お返しが怖いからしないけど。
「でも、ねえ……」
「?」
荒井くんはちらっと、僕の方に流し目をかましてきた。
正直キモい。眼鏡をかけろよ。
「赤沢くん、い、いいかな……?」
「う」
しかし不安げな表情で僕を見つめる白上さんはむちゃくちゃ可愛い。
「僕は別にいいけど」
というか、願ったりかなったりだ。荒井くんが何をとち狂って白上さんを邪険に扱うのかはわからないけれど、僕まで同調して従う必要はないはずだ。
「ホント!? いやぁ、言ってみるもんだわね! と、誰か知らないけど席借りるわね」
「泣いたカラスが〜ってこのことかね。調子いいんだから、まったく」
白上さんは近くの椅子と机を僕たちの正面に引き寄せて、机の上にビニール袋をひっくり返した。
「拓郎に感謝しろよな。学園の綺麗処二人と一緒に飯が食えるなんて。こんな機会、白上には今後一生訪れないだろうからな」
「ありがたや、ありがたやぁ〜」
「…………」
違和感がとめどない。なんで荒井くんがこんなに偉そうなのか。逆に白上さんはどうしてそんな辱めを受けてまで、僕らと昼食を共にしようとしているのか。
普段であれば、白上さんのような美少女と昼食を共にしようとしたならば、僕と荒井くんが二人で土下座をしたって叶わない奇跡だろうに。
これも、
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