第十話 稗田阿求はプレゼントする
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。「好きなものにあげるのは手作りでしょう? それは買ったものよ」
「うれしいよ! 丁度いま血が足りないんだよ。チョコレートには造血の効果があるからね…… って! うわ!!」
悠が箱を開けると中に入っていたのは今にも脈打ちそうなリアルな心臓の形をしているチョコレートであった。確かに造血しそうである。
「どうしたのよ?」
「いや…… 何ですか? この形?」
「だってあなた『ハート……ほらこう……心臓の形ですよ』って言ってたじゃないの。 だから新聞にもそう書いてあったわ」
「確かに言ったが……。 この形で売られてるんですか?」
「ええ、 人間よりもむしろ妖怪に大人気よ。 みんな送り合ってるわ」
この形のチョコレートを贈り合うのはどんな儀式だ……。しかし、魔女が売り、妖怪が食べるならこの形で間違っていないのかもしれない。と内心そんなことを考えながら悠はチョコレートを見つめた。阿求は悠の様子をチラッチラッと盗み見ている。(さて、 どんな罠が隠されているのかな……。 カカオ100%か? それとも唐辛子か? まぁ、食べてみれば分かるか)そう思い、悠は口を大きく開けチョコレートに噛みついた。
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