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SAO編−白百合の刃−
SAO38-大自然の迷路
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かしたら、ギッタンギッタンにしてやんからな!」

 そう言い残して彼女は行ってしまった。ギッタンギッタンって……某国民的ガキ大将じゃないんだから。でも赤の戦士はガキ大将に似合うわね。
 そんだけ、か……確かに、その通りね。
 ソロは安心。責任は自分で受けられるし、傷つくのは自分だけでいいから。
 パーティーは恐怖。皆がいなくなるのが恐いし、みんなを傷つけてしまいそうだから。
 ソロだけで生きていくのが限界なのはわかっている。安全マージンは取っているとは言えど、アインクラッドの攻略も半分を超えたんだ。だからこそ、このまま真っ直ぐに道が用意されているとは思えない。
 ちゃんと向き合わないといけないんだ。言い訳を探して避けてばかりでは、本当に守りたい者を守れなくなるし、動かなくなってしまうのかもしれない。

「よし!」

 もうあの日の私ではない。ちゃんと向き合えば、ちゃんと動けるようになるはずだから。



 街から離れて歩くこと数十分で『大自然の迷路』の入り口にたどり着いた。
 えぇ、わかりやすくここが入り口ですよって誰でもわかるようにね。そんな派手な看板で大きな赤い字で『大自然の迷路・入り口』と書かれているんだもんね。間違えようがないわ。

「文字書かれている時点で大自然じゃないような……」
「んなことはどうでもいいんだよ。さっさと行こうぜ!」

 赤の戦士みたいに、あんまり気にしない方がいいかもしれない。一々深読みすると体がもたないような気がする。まだ入り口だし……まだ初日だし……。

「あ、あの……ちょっといいですか?」

 鋼の騎士は、おどおどしながら勝手に先へ進もうとする赤の戦士を呼び止めた。

「あぁ?」
「ひゃぁ、ひゃんへぇもないふぇふ!」
「なに言ってんのかわかんねぇよ!」

 鋼の騎士は口に熱い物を入れたように噛む姿に赤の戦士は怒る気力を削がれていたかのように呆れていた。
 ここまで噛む人はそうそういないよね、鋼の騎士って。大人しい分、はっきり言うと思っていたが…………そんなに噛むとは思いもしなかったよ。

「鋼の騎士が気になっているのは…………アレね」

 噛んでしまった鋼の騎士に変わり、剛姫が入り口の巨大な神木の扉に書かれている巨大な文字に指を指した。
 あぁ、それね。気がついているんだけどさ…………明らかに怪しすぎてスルーしたいんだよね。
 いや、だってさ……書かれている内容が……。

「『右のドアを開くとボス戦突入だよ』」

 私は巨大な扉に書かれている文字を読み上げた。
 うん。いかにも、怪しすぎるんだもん。なんで、わざわざボスの居場所を教えているんだよ。おまけに右側には金ぴかに光る巨大で派手な扉だしさ、明らかに怪しさ満点だよね、絶対にトラップあ
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