暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
無印編 破壊者、魔法と出会う
12話:竜巻と赤き鳥と秘めたる思い
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気がなかったけど、お母さんとお父さんが二人で始めた事だったから。一人になっちゃったお母さんは、お兄ちゃんと一緒にがんばってた。
お姉ちゃんはずっとお父さんの看病。お父さんが起きるまで、ほんともうつきっきりで……
だから、私よく家で一人にいる事が多かったの。
士君?士君はその頃はもうすごかったよ。大抵は家にいて、家事なんか色々やってたし、時間があるときは喫茶店の方のお手伝いにも行って。私はそんな士君を見てる事しかできなくて……
でもなんか、家の雰囲気はギクシャクしてたの。何かが張りつめているような、そんな感じ。
私は、その頃「いい子でいよう」って思ってたの。いい子で待っていれば、お父さんも戻ってくる。いい子でいれば、またお母さん達がそばにいてくれるって……
そんな状況がしばらく続いた時だった。私は友達と遊んでくると言って、家を出た。でも、それは嘘。ほんとは、一人で公園のベンチで座ってたの。ただずっと、夕ご飯ができるまで。
それで、喫茶店から帰ってきた士君に来てもらって、家に帰る事にした。
その時だった。
『なのは、なんでそんな悲しい顔をするの?』
『え…?』
士君から言われた一言が、とても衝撃的だった。だって、自分では笑顔でいると思ってたんだもん。皆を心配させない為に、私が「いい子」でいられるように。
でも、士君にはっきりと言われてしまった。
『そんなこと…ないよ。私、笑ってるでしょ?』
『確かに笑ってるよ。でも、どこか無理しているような…』
『無理なんかしてないよ、私!無理なんか、してなんか……』
だけど、はっきりと否定できなくなっちゃったの。自分でも、無理してたのがわかってたから。
『…なのは、なんで…なんで泣いてるの?』
『え……?』
気がつくと私の頬に涙が本当に流れてた。すぐに拭うけど、それを上回る程の涙が流れてくる。
『あれ…おかしい、なぁ…なんで…なん……』
その時、私は何かに包まれたの。でも、すぐにそれが何なのかわかった。
『ごめん、なのは。ごめんね…』
『なんで…士くんっ、が…あや、まるの…?』
『だって…なのはがこんなになるまで…気づけなかったんだよ…』
よく聞くと、士君も泣いているようだった。
『でも…私…私……』
『もう、いいんだ。無理しないで…いいんだ…』
士君にそう言われ、もう私は涙を止める事はなかった。そのまま、小さく声を上げながら、私は泣いたの。
しばらくして、私が落ち着き始めた頃を見計らってか、士君は話し始めた。
『ほんとに、ごめんな、なのは』
『ううん、いいの。ありがとう、士君』
『どういたしまして、かな?』
少し抱きしめる力をお互い緩める。それでお互いの顔が目に入る。
『…決
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