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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第二十三話
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が独ソ戦を負けると踏んでいるのだ。
「それは面白いな……」
「それに日本は満州をソ連の防波堤にするようです」
「……成る程……これは当分、日本から目が離せなくなるな」
ルーズベルトはニヤリと笑いながらそう言うのであった。
その頃特地の帝都では偵察隊の隊員や陸軍中野学校出身者達が情報を集めていた。異世界であり、帝国の事をあまり知らない日本にとって帝国の情報は大変貴重であった。
また、スリや泥棒といった連中は日本軍に媚びを売るように貴族を監視したり時には屋敷に侵入して書簡等を盗んだりしてその情報を日本軍に売って代わりにカネを貰っていた。
しかし、当初は娼婦等の女性達からは不人気であった。娼婦達は偵察隊等に自分の身体を売り込んだが兵士達は「申し訳ないが、任務をしているので……」とやんわり断られていたからである。
その代わりに隊附衛生部員等が建物の一角(事務所)で娼婦等に衛生サック(所謂コンドーム)「突撃一番」や「鉄兜」を銅貨一枚で売ったり、健康診断をしたりしてからは風向きが変わり始めていた。
そんな日の夜半、隊附衛生部員である黒河が事務所で夜勤をしていた時に顔馴染みである背中に白い翼を持つミザリィという翼人の娼婦が他の娼婦を引き連れてゾロゾロとやってきた。
「どうしましたかミザリィさん?」
黒河は念のためとして十四年式拳銃を携帯するがミザリィは落ち着かない様子だった。
「取りあえずは入りなさい」
落ち着かない様子だったミザリィに黒河は何かあると思い、娼婦達を中に入れた。
「それで何かあったのですか?」
「あたしらはあんたらがこの街で……帝都で何をしようとしているかは薄々感づいている。だけど何も言わず、聞かず、見なかったで通してきている。それがこの街で長生きする秘訣だからね」
ミザリィの言葉に娼婦達は頷いた。
「だけどね、そうも言ってられなくなったんだよ。この娘の名前はテュワル。この子の話を聞いてあたしらを助けてほしいんだ」
ミザリィはそう言って種族の異なるテュワルを紹介した。テュワルはハーピィであり、翼人は背中に翼を持つがハーピィは上肢が翼を兼ねる。
「お願いですッ!! 助けて下さいッ!!」
テュワルは目に涙を溜めながら黒河にそう訴えたが黒河は要領が掴めなかった。
黒河は説明を求めるがミザリィ達は助けてほしいとその一点張りである。そしてとうとうミザリィが声をあらげた。
「まどろっこしぃねぇッ!! あたしらを助けてくれればこれからはあたしらに協力してやると言ってるのさッ!!」
「だから、何から助けてほしいと聞いているんですよ。何かが起きるんですか?」
「そうです。地揺れが来るんですッ!!」
テ
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