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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第二十三話
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特地に派遣された菅原以下の外交員は帝都で密かに活動を開始した。
これは帝都の市民がどのような住人であるか探るためとその接触と議員との接触である。
ピニャは議員との接触に関与していたが住人の接触は知らなかった。これは日本が独自でしている事である。
帝都で活動するには拠点が必要である。そのため数ヶ所の活動拠点を確保した。
アルヌス共同生活組合の帝都支店の倉庫や街の居酒屋の二階など怪しまれない場所である。
その中でも帝都『南東門』界隈にある貧民街の一軒家に拠点を新しく構えた。
その地区は帝都でも様々な種族、民族、獣人が混在して生活している地区であり普通の市民や貴族が訪れる事はまず無かった。
言わば無法地帯である。男もいれば女もいる。その女の殆どは交渉次第で娼婦として仕事している事もある。帝都の澱みを吸収して負の方向へと闇色に発展し続ける場所なのだ。
日本特地派遣軍(部隊から改名して支那派遣軍や関東軍等の総軍の一つとなった)はそんな場所をあえて選んだ理由は簡単で人種の坩堝と言える場所ならば怪しい風体の者が出入りしても目立たないと考えたからだ。
それに獣人等の種族を調べる事も大きな利点であった。地球では伝説等でしか見れない獣人がいるのだ。各偵察隊は内地から持ってきたカメラ等を使って彼等を写真に納めたり映像に撮したりした。
この映像や写真は日本国内は勿論、諸外国の首脳陣にも送られて特地の様子が若干分かったりした。
「……日本も気前がいいものだな……」
「……プレジデント、むしろ火中の栗は我々が拾うというメッセージかもしれません」
「ほぅ、どういう事かね?」
ハル国務長官の言葉にルーズベルトは疑問を持ち、ハルに問う。
「トーキョーで各国と会談中に日本が此方に接触してきまして、満州にアメリカの企業を進出させてもよいと言ってきています」
「……成る程、特地に自国の企業を送り込みたいわけか」
特地の情報を嗅ぎ付けた日本の企業は特地に進出したがっており政府や大本営はほとほと困っていた。そこで特地に小規模ながら企業を進出させて満州の空いたところにアメリカの企業を進出させる事にしたのである。
「特地に進出したいが、代わりに満州を出す……と?」
「yes、それとプレジデント。……日本は北部満州から内々的に撤退するようです」
「……どういう事だ?」
ハルの言葉の意味が分からないルーズベルトはそう聞いた。
「どうやら日本は中々の利口のようです。日本は『ドイツがソ連に負ける事を前提条件にした満州戦』を展開するようです」
「……ほぅ」
ハルの言葉にルーズベルトはニヤリと笑う。三国同盟の同盟国であるはずの日本
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