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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
第一巻
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組んだ腕に、綺麗だが鋭い吊り目をした美人な女性がいた。
「あ、織斑先生。もう会議は終わられたんですか?」
「ああ、山田君。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」
「い、いえっ。副担任ですから、これくらいはしないと……」
先程の涙声は何処へいったのやら、山田先生は若干熱っぽいくらいの声と視線で担任の先生へと応えている。
そして、若干はにかんでいるのも見えた。
「諸君、私が織斑千冬だ。君たち新人を一年で使い物になる操縦者に育てるのが仕事だ。私の言うことはよく聴き、よく理解しろ。出来ない者には出来るまで指導してやる。私の仕事は弱冠十五才を十六才までに鍛え抜く事だ。逆らってもいいが、私の言うことは聞け。いいな」
スパルタだ、美人だが鬼がここにいる。
そんな事を思っていると、教室中から黄色い声援が響いた。
「キャ――――――!千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「私、お姉様に憧れてこの学園に来たんです!北九州から!」
「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しいです!」
「私、お姉様のためなら死ねます!」
きゃいきゃいと騒ぐ女子たちを見て、若干俺は引きながらも織斑先生を見るとかなり鬱陶しそうな顔で見る。
「……毎年、よくもこれだけ馬鹿者が集まるものだ。感心させられる。それとも何か?私のクラスにだけ馬鹿者を集中させてるのか?」
そんな言葉も裏腹に、更に女子のクラスメイトは――。
「きゃあああああっ!お姉様!もっと叱って!罵って!」
「でも時には優しくして!」
「そしてつけあがらないように躾をして〜!」
凄いな、やはり異空間だよ、ここは。
そう思っていると、織斑先生が――。
「……有坂、いつまでそこにいる?さっさと席へ戻れ」
「あ――は、はい、すみません」
その織斑先生の言葉で、俺は自分の席へと戻った。
正直――体が緊張したせいか痛い。
興奮冷めやらぬ教室内で、右隣の妹の視線を感じた――振り向くと。
『お兄ちゃん、お疲れ様』
という口パク――多分そう言ってると思う。
なんてそんな事を思っていると、チャイムが鳴った。
「さあ、SHRは終わりだ。諸君らにはこれからISの基礎知識を半月で覚えてもらう。その後実習だが、基本動作は半月で体に染み込ませろ。いいか、いいなら返事をしろ。よくなくても返事をしろ、私の言葉には返事をしろ」
美人だが鬼教官だ。
俺は――ここでやっていけるのかが正直不安になってきた――。
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