第五十三話
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って行くと言う。
……原作ではダーナへ詫びに行ったマナナン王は弁明の機会を得られることもないまま捕らわれ処刑されてしまい、その対応に激怒したイザークは全面戦争へと踏み切るのだが……
それを避ける為に小細工をいろいろしてきたし、それも概ね目論見通りだ。
既にダーナとは顔を繋いでいるし、被害は出したとはいえ治める代表は皆健在だ。
グランベル……というより戦を起こしたいアルヴィスとマンフロイに口実を与えないで済むだろう。
国を挙げての出兵権限を実質握っているクルト王子とは信頼関係を構築したし、イザーク出兵こそがクルト王子暗殺への舞台装置だということも伝えてあるので、この戦は起こることはないだろう。
なので、俺は何の心配もなくダーナとイザークの仲介を引き受けた。
一度王都へと戻ってからダーナへ赴くのかと思ったが、王はこの足でそのまま向かうそうだ。
俺達もダーナに残してきた人員を回収する必要があるので早い方がいい。
ただ、リボーをそのままにして向かう訳にも行かないため戦後処理にそれなりに日にちを要した。
……本当はレイミアを辱めた者に報いを受けさせたかったが、開城させる為にマナナン王が行った条件を破ることになるし、確認するためとして彼女にそういう奴らの顔を再び見せたくは無かったので耐えることにした。
だが、毎日何人かずつ、局部を切られた男の死体が城の堀に投げ捨てられていた。
闇から闇へ、そういう仕事をする組織がこの国にはあるようだ……
リボーからダーナへと再び向かう前日、戦陣ゆえ豪華な装いも典雅な儀式も無く、互いに甲冑を帯び、剣を差して、俺とレイミアはささやかな華燭の典を挙げた。
腕が思い通りに動かないとはいえ、それを諦めたりもせず、彼女は剣士としての姿を通すことにこだわったし、俺もそんな彼女が好きだ。
リハビリって概念はあるようで、結ばれた次の日から俺も皆も協力している。
マナナン王に行った願いとは見届け人や公証人として立ちあってもらうことと、カルフ王へのこの婚儀について手紙を……いろいろ色をつけてしたためてもらう事だ。
そんなやりとりをしていたら、ここにも上級貴族、公女さまってのがいるらしいよ?と、ブリギッドも協力してくれた。
「いずれ豪華な披露宴を挙げる際には、是非招待してほしいものじゃ」
「エーディンも親父もアンドレイも呼んであげたいな」
俺とレイミアは豪華な披露宴なんかが嫌だから今ここで挙げたのにって二人に言って苦笑されてしまったが、いずれ開くときには必ずと答えた。
それを全く予想もしてなかったので、俺たちはただ々驚くばかりであった。
遠くに見えるダーナの街から立ち昇る煙、もちろん炊事で上がるようなもの
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