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IS【インフィニット・ストラトス】《運命が変わった日》
【プロローグ】
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。
というのも、母さんからの受け売りで、俺は詳しくは知らない。
「確か――男には使えないんだっけ?」
「うん。最初の発表の時に各国の男の軍人や研究者が触ってみたんだけど……うんともすんとも動かなくて女性にしか――ってお兄ちゃんが触っても反応しないよ?」
「ん?まあせっかくだし、ちょっとだけ触ってみたいなってな」
「もう!触って問題起こさないでよね、お兄ちゃん!?」
軽い気持ちで俺は美冬にそう答えた――。
もしかすると、俺は開けてはいけないパンドラの箱を開けたのかもしれない――。
この『IS』に触れた事から――俺の運命は変わった――。
そっと――触れるようにISの装甲に手を置いた――その瞬間。
「なっ!?」
「え――」
キンッ――金属音が頭に響く。
直接視覚野に接続されたように、訳のわからない数値が知覚出来るようになった。
「ど、どうなって――」
「う、嘘……!?お兄ちゃんが…IS動かしてる!?」
美冬も、何が起きたのかわからないながらも、目の前の俺がISを動かしたという事実だけは認識しているように感じた――。
そして、俺自身が混乱している間にもISの機能は展開、作動していく。
――視界も気づけば先程よりも清涼感が増し、クリアに。
――清廉とした視界に変わっていた――。
「あ……。……わ、私先生に言ってくる!!」
言うやタタタッと駆けて出ていく美冬――。
状況の把握がいまいち出来ないながらも――俺は母親が言っていた事を思い出していた――。
『ISはね、触れたその瞬間からISの基本的な動作や操縦方法などが直接意識に流れ込んでいくのよ。――でも、ヒルトは男の子だからIS動かせないわねぇ』
――動かし方の情報……流れてこなかったのだが。
「ど、どうやって動かせば――わわっ!?」
ふらふらしながら――バタンッと、俺は前のめりで転けた。
顔をしこたま打ったのだが、痛みは感じなかった。
「っっ……。歩くことすらままならないのかよ……」
そんな俺の声が虚しく響く――。
その後――あっという間にIS学園の関係者らしき人達に別室へと連れられていき、既に受かっていた高校への入学は取り消され、政府関係者やテレビ関連のニュースやらであっという間に世界中に広まった――。
――史上初、男のIS操縦者の誕生――。
あの時――触れていなければ俺はただの一般人だったのかもしれない。
望む望まざるは関係無く、俺はこの時から運命が変わり、IS学園への入学が確定した――。
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