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魔法少女リリカルなのはA's The Awakening
第五話
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イト。これにはさすがのなのはもたじろいでいる様子。

「ど、どうしたのフェイトちゃん?」
「直人に勝ちたい。竜二さんとの戦いを見たら何かヒントがつかめるかもしれないのに」
「し、しかし、僕にも管理責任というものがあってだな……」
「でもクロノ、直人に勝ったことないよね?」

 それが本当なら情けない話である。執務官試験といえば管理局の中でもエリート中のエリートでなければ通れない試験であるからだ。また執務官として与えられる任務も、ほかの管理局員とは一線を画して厳しいものであるが故に、素人に負けるなどありえない。普通は。

「それとこれとは話が違うじゃないか!」
「じー……」
「だから……」
「じー……」
「あのね……」
「じー……」
「……仕方ないか……」

 しかし男たるもの、美少女には弱い。どうやらこれはどこの世界でも共通らしい。いや、これはある意味クロノが根負けしたとも言えるだろうか。

「八神さん、少しお話があるのですが」
「なんぞい?」
「お時間の取れる日がございましたらこちらまでご連絡いただけないでしょうか?直人との模擬戦の件で、戦える場を整えさせていただきますので」

 そういってクロノはにメモの切れ端のようなものを渡した。それを受け取りつつも、竜二が聞きなおす。

「大丈夫なんか?」
「被害がいくら出てもかまわない場所を、私の権限において用意させていただきます。その代わり、当人同士に何があろうが僕は一切関与しませんので、くれぐれも自己責任でお願いします」
「わかった。恩に着る」

 そういって竜二はクロノに頭を下げた。

「いえいえ、こちらが勝手を申しているだけですので礼は結構です」
「……わかった。ほな後日、直人を通じて連絡する。俺たちはこれで」
「お気をつけて」

 その他数名の声を受けて、竜二とアスカはバイクにまたがり、帰路についた。それを見送りながら、直人がクロノに話しかける。

「しかしまぁ、珍しいな。執務官殿が主張を曲げるなんて」
「あのままじゃ、いつまでたっても諦めないだろう?」
「まぁ確かに。そんじゃ俺も疲れたし、帰るわ」
「わかった。君も気をつけてな」
「ああ」

 そして直人は自転車にまたがって帰っていった。



 そんな中、竜二たちが帰るときのひと時。

「ところでさアスカ」
「なんでしょう?」
「俺ら、結局何しにあそこまで行ったんやろうか」
「さぁ……結局何もしませんでしたね」
「わけわからんわー……翠屋でも行くか。腹減ったけど晩飯には早いし」
「お土産もちゃんと買って行かないと、ヴィータちゃんがむくれますよ?」
「わかっとるわ」

 結局、全員分のシュークリームを買って帰った竜二たちであった。



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