暁 〜小説投稿サイト〜
ヱヴァンゲリヲン I can redo.
第七話 Father and Son
[3/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
声でそれを否定する。しかし国連をも黙らせるほどの強大な権力をもつNERVに迷惑をかけたのだ。それも完全に否定はできない。

「鈴原トウジ、相田ケンスケ」

 鉄の戸の向こうから二人を呼ぶ声がした。立ち上がって、戸の上部についている檻の部分から相手を見ると、そこに立っていたのはスーツを着て、サングラス姿の男だった。NERV諜報部員。

「司令が命ぜられた。直ちに出て私の後について来い」

 男は鉄の戸を開けると、二人を伴い歩き始めた。トウジとケンスケの緊張はピークに達する。

「ケンスケ、ワイら何処に連れて行かれるんや?」

「さぁ…もしかしたら…碇司令の所に…」

「そ、そんなはず…ないやろ…」

 顔から血の気が引いて行く。顔面蒼白になった二人が連れていた所は、やはりNERV本部の最上階、司令室だった。

「碇司令、命令に従い連れてまいりました」

 そう言って男は扉を開ける。二人は足を震わせながら部屋に入った。照明がなく、床や天井に謎の文様が一面に描かれ、そしてその部屋の中央で手を組むサングラス姿の男、全てに二人は圧倒され、気絶寸前まで追い詰められる。

「シンジ、わざわざ私の部屋を借りてまでこの二人に話したい事とはなんだ。私も忙しいのだぞ」

 ゲンドウが姿勢を崩さず言った。その相手は、いつもは冬月の立っているポジションに居るシンジだった。

「ごめん…父さん…。でもこの二人には、絶対に分かってもらわないといけない事があるから」

「ならば手早く頼む。もうすぐ先の戦闘の損害報告書が上がってくるからな…」

 ゲンドウはそう言うと目を瞑った。日々日夜関係なく走り回る彼は相当疲れていたようだ。そのままの姿勢で寝てしまった。

 シンジはそれを確認してから、手錠をはめられたクラスメートに向かって、父のような迫力を示すような声で話しだした。

「二人とも分かっているだろうけど、君たちが先ほど行った行為は戦闘介入という、立派な犯罪だ」

「犯罪…」ケンスケの絶句。

「そんな、ちょっと待てや!! 戦闘介入言うたって、ワイら何も戦いに手ェ出し取らんで!?」トウジの反論。

 しかしそれは、シンジの静かな声によって押しつぶされる。

「知っているだろうけど、君たち民間人はシェルターに避難する事が義務付けられてる。でも君たちはそれを破って戦闘地域に侵入、そのせいで多少なりとも戦闘に影響はあった。どんな小さなものでも、影響があったらそれでもう犯罪なんだよ」

 二人が声を失い、シンジは二人を睨みつける。ケンスケが震える声で訊いた。

「い、碇…君。お、俺たちはこれから一体…」

「心配する必要はない。普通なら極刑もあり得る所だけど、今回は司令の判断で特別に拘留だけで済んだ。明
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ