暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
無印編 破壊者、魔法と出会う
11話:響け、鬼の魂
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子を伺う。二人は再び顔を合わせ、しばらく考えるようなそぶりを見せる。何か念話でもやっているのだろうか?そしてテスタロッサがこちらを見てくる。
「うん、いいよ」
「じゃあ聞くけどよ、お前らがジュエルシードを探す目的が知りたいんだけど」
「それは……」
俺の質問に少し吃るテスタロッサ。やはり答えにくいか。
「いや、答えにくいならいいんだ。まぁ質問と言ってもこれぐらいか」
「じゃあアタシからしてもいいかい?」
「あぁ。勿論」
アルフの言葉に俺は頷く。
「アンタは何でアタシ達を守ってくれるんだい?」
「そりゃあ、お前らをほっとける程、俺自身が酷い人間じゃないからじゃないか?」
すんなりとそう答えると、アルフはう〜んと唸る。そこまで考える事か?
「だって、アタシ達はアンタ達の敵なんだよ?」
「敵だとしても、顔見知りをそう簡単に見捨てられるもんじゃないよ」
「…じゃあ私の為に」
「そうともいう」
と、そこで俺は二人に背を見せる。
「ま、結局のところ、アイツらをほっとく訳にもいかないしな」
「確かにね。アレは魔導師がどうこうできるレベルを超えてる…」
「………そう、なんだ…」
俺の言葉に納得といったように頷くアルフ。だが、テスタロッサは若干不満そうにしていた。
「なんだテスタロッサ。そんな顔して」
「……なんでもない…」
やっぱり不満そうだ。俺、なんかしたか?
「まぁいいや。そろそろ俺は帰りたいんだけど…いいか?」
「あぁ。こっちが聞きたい事はもうないから」
「そうか。それじゃ、またな。アルフ、テスタロッサ」
「あぁ…」
「………待って…」
何もないだろうとそのままその場を離れようとした時、テスタロッサが呼び止めた。振り返るとアルフも少し驚いたようにテスタロッサを見ていた。
「…何、かな?」
「あの、ね。できれば…その…」
何か言いたいんだろうが、何やら言い出しづらいようだ。
「…言いたい事があるなら言えよ」
「あの…できれば、名前で呼んで欲しいな…て」
「名前?」
一瞬あっけにとられたが、すぐに思考をフル回転させる。名前…名前…名前…
「…テスタロッサじゃなくて、フェイトと呼んで欲しい、と?」
「……うん…」
若干顔を赤くしそう言うテスタロッサ。
「…うん、まぁいいか。よろしく、フェイト」
「うん!」
俺がそう呼ぶと明らかに顔をパァッと明るくし返事をするテスタロッサ、改めフェイト。
「それじゃあな」
「うん。それじゃ、士」
そう言って少し微笑みその場を去る。
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