暁 〜小説投稿サイト〜
ハイスクールD×D 〜我は蟲触の担い手なれば〜
『転生。 或いは、交差する赤と紅』
EP.02
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「ああ、俺もおっぱい揉みてえなぁ……」
「どうして、俺たちはこんな学園生活を送っているんだろうなぁ……」

 ぐすぐすと鼻を啜りながら号泣している松田。
 ブツブツと呟きながら、虚ろな視線をテレビに向けている元浜。
 放課後。 学校から帰宅して、松田の自宅に集合したエロ猿三匹。
 しかし、集合当時には無駄に高かったテンションも、今ではもはや風前の灯火だった。

 ―――どうして、こうなった。

 明かりを消した薄暗い部屋の中、不定期なリズムを刻む嬌声が響く。
 嬌声の元凶は、壁際に設置されている薄っぺらな液晶の向こう側。
 肌を重ねる男と女が互いを貪り、喘いでいた。

「……なんで、俺たちには彼女がいないんだろうな?」

 ぽつりと零れたその言葉は、誰の漏らした言葉だったか?
 決して静かとはいえない部屋の中に、けれどもその言葉はよく響いた。
 もしかすると俺だったのかもしれないし、或いはそうではなかったかもしれない。
 しかし、確かに言えることはここに身を寄せ合う全員が同じ思いを抱いていた。

 ―――彼女が、欲しい。

 気が付けば俺たち三人は、そろってテレビの前にて膝を抱えて泣いていた。
 虚しい願いだ。 もしそれが叶うのならば、俺たちがこうして集まることもない。

「あ……。 終わった、な。 じゃあ、次に行くぞ」
「……ああ」
「……おう」

 再生が終わりメニュー画面へと戻ったテレビ。
 松田はテレビの下に設置されているDVDプレイヤーからディスクを取り出し、元のケースに収納した。
 そして、プレイヤーに納められた次のディスクが再生される。
 再生されたのはおバカなタイトルの学園もの。
 肉付きがエロいと評判の女優が、学生服らしい衣装を着て画面中央でスカートを揺らしている。
 どうやらシチュエーションは放課後、手紙で呼び出された男子学生が先輩の女子学生と行為に及ぶというものらしい。
 数分後、おざなりな演技もそこそこに女優が男優を押し倒す。

『ねえ、しよっか?』

 女優の誘いに男優が頷く。 そこから先は想像の通りだった。

「……そういえば俺もさ。 この前、女の子から手紙を貰ったんだ」 

 シチュエーションに記憶を喚起されたのか、元浜が呟いた。
 その呟きに気を引かれ、俺と松田が二人そろって元浜へと振り返る。
 しかし、覗き込んだ元浜の表情はどこまでも空虚で、隠しきれない悲壮感が漂っていた。

「……それで、どうしたんだ? もしかして、先走って振られたのか」

 松田が尋ねる。 しかし、元浜はその問いを首を振って否定した。
 だったら、いったいどうしたんだ? その問いの答えは、実に簡潔なものであった。

「カツアゲ、されたんだ。 生まれて
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