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同士との邂逅
十 道化師は哂う 後編
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演劇だとか舞台だとか。
別に好きなわけではない……むしろ嫌いだった。

嘘の蝋で塗り固められた燭台の上で、泣いて笑って踊り狂って。
その光景は、いつか見たピエロよりも彼の眼には滑稽に映る。
そしてそれ以上に、自覚もなく演じる自身が滑稽だった。

しかし、いつの間にか。
そう、いつの間にか上手くなっていた……いや、上手くならざるを得なかった。

どこからが本音でどこまでが嘘か、それともどちらでもないのか。
どこからどこまでが演技なのか、どこからどこまでが真実なのか。

嘘に嘘を塗り演技に演技を重ねていくうちに、混ざって雑ざって交ざって…――わからなくなっていた。
本人にももう、わからなくなってしまっていた……―――――――。









美神のもとに現れた、死んだはずの彼女の母親―美神美智恵。時間移動能力者である彼女の話から、人間界に魔王アシュタロスが侵攻してくる事を知ったGS達。
世界を護るため魔王アシュタロスを倒さねばならない、と意気込む美神美智恵。
彼女は日本政府からこの対魔王について指揮を任されていると言い、GS達を自身の指揮下に入れた。その中には当然、横島の姿もある。

敵陣に潜入しスパイをしろと命じられた横島だが、本人はそんな大それた事をしてるつもりは無かった。順応性の高い彼は、すぐに敵である魔王の娘達とも打ち解けていた。
それ故、娘…三姉妹―アシュタロス側と美神―人間側と、二つの陣営の最中に揺れる横島。勿論、魔族である三姉妹が悪い事をやっていると理解しているのだが、そう思わせないあたたかさが彼女達はあった。

そうして共に過ごすうちに三姉妹の長女――ルシオラという女性に惚れられた横島は、彼女が自分に抱く恋心に戸惑う。
横島は魔族だとか敵だとかは全く気にしていない。ただ、初めて向けられた異性からの好意に、疑心を抱いているのだ。

今まで、横島の周囲の女性は皆、彼を扱き使ったり馬鹿にしたり苛めたり嗤ったり…嫌うふりをしたりする。
……実際は、人間にも神族にも魔族にも妖怪にも霊にも、横島は好かれていた。彼の知らないところで、取り合いや牽制が多々あった。
しかしながら、横島本人の前では意地を張ったり照れ臭かったりして、誰もが「横島をどう思ってるか」という問いに「べつにどうでもいい」と答える。
彼がその答えを鵜呑みにしている事など気づかずに。


だから正直に素直な本心を伝えた唯一の女性……―――敵であり魔族であるルシオラに横島は戸惑う。
散々女性に揶揄されてきた彼は、正直、懐疑的な態度を崩せないでいた。








魔王アシュタロスに逆らう行動をとれば、身体に組み込まれたコードによって自動に消滅させられる。
消滅すると解っていても猶横島
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