第十八話 国力
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言葉として諸君らに聞いて頂きたい。」
ワイアットは会場が静まるまで待ちさらに人々が答えを待ち望むまで溜めを作った。
「諸君ら我々はひとりの英雄を失った! しかし、これは我々トリステインだけの損失を意味するのか!? 否!ハルケギニア全体の損失なのだ!我々ハルケギニアの国々はエルフの国に比べ国力は10分の1である。にもかかわらず、今日まで戦い抜いてこられたのはなぜか? 諸君!我らが英雄フィリップ三世と各国が協力した結果だとこれは諸君ら他国も我々トリステインも広く知るところである!しかし英雄フィリップ三世の死に対し多くの国が自国の権益を拡大させんとトリステインに圧力を加えてきている。かつてはエルフの国に連合として協力し、エルフの脅威を退けた英雄フィリップ三世の国に対してである諸君らも寒い時代だとは思わんか?
今度その様なかつてのエルフ進攻が行われた時にハルケギニア各国の連合がエルフ達に勝利できるだろうか?
その様な権益と対立を抱えた連合は敢えて言おう、カスであると! それら軟弱の集団が、このハルケギニア全土を守り抜くことはできないと私は断言する。
私の提言は他国のような欲望に根ざしたものではない。我々人類がハルケギニア全土に着々と生活圏を拡大したことによって増長した人類はエルフに勝てると過信したのである。ここにいたって私は、今後、絶対にハルケギニア全土に住む人類は対立繰り返さないようにすべきだと確信したのである。
この意味は、諸君達にも理解できよう……人類は、エルフに対して謙虚でなければならない。何故ならば何度も言うように英雄を失い更には団結力を失いかけているからである!我々は聖地を取り戻す為に調和ある生きかたをしなければならない。
ここに私は提案する!我々の生活圏の保護と生命権を守るためにハルケギニア各国に対し協定と条約の締結を人類の存亡とエルフ達に対する備えとして、もう一度言う提案する!」
ワイアットの演説は会場に響き渡り各国の代表や王に届いていた。
「私、ワイアットはこの新たな時代の到来と世界環境が新たになり我々人類が生き抜く事をフィリップ三世と始祖ブリミルに祈るばかりである。」
ワイアットが演説台から降りると国賓の席から拍手が起き、民衆からはワイアットとフィリップ三世を讃える声が上がった。
そのあとに開かれた各国の代表のみの追悼式で五ヶ国条約が締結された。後に言うフィリップ条約である。
その際に、ガリアの王がフィリップ三世の死に対して悲しみを持ち外交的圧力や戦意を持っていないとするためトリステインに100万エキューの寄付を行うとした。その場の代表や王達から合計360万エキューの寄付を取り付けたのだった。ワイアットは諜報網と商人を使いその噂を流すと各国の貴族や豪商もこぞって寄付を行い結果的に600万エキューが集まったのだった。
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