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なりたくないけどチートな勇者
35*昔の話
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だったから、ついつい感極まってしまったのだ。
……だがね、この街に来た事自体が俺らの不幸のはじまりだったのだよ。


************♀☆


その後俺らは街の、なるべく若い女性の従業員がいない宿を探してそこへ泊まった。

少し値段は高かったが、殺されるよりは大分いい。
どこでどんな事件が起こるかわからないからだ。

というか一回殺されかけた事があると、嫌でもそこらに気をつかう。

そして、借りた二つの部屋のうち、片方は俺とキース、もう片方はリリスとレイラという部屋割りにした。
もちろん奴らは文句を言ったが……まぁ、だいたい耳元で愛を囁くと黙るのでなんとかなった。

そんな一悶着もあったその日の夜、俺らは街で買った酒を飲みながらこれからの事を話し合っていた。

「なぁキース……俺らこれでいいのかな?」

「どうした、らしくないな。俺はまだ城には戻りたくないぞ」

「そっちじゃない、リリスとレイラについてだ」

「……どうしようもねぇよ。もう国に戻ったら結婚する覚悟もできている……というかまぁ……なんだかんだで俺もあいつを好きなんだよなぁ……」

そう言いながらキースは恥ずかしげに頭を掻いて……

バンッ!!

「キース!それ本当!?」

……まさかのレイラご登場である。

「キースキースキース!!嬉しいわ!私達、夫婦になるのね!!もう離さない!あなたとの幸せは絶対離さないわよ!!」

レイラはそう叫びながら、キースに抱き着き、そのキースからは

ゴキゴキゴキ

なにか危ない音がした。

「ちょ!レイラいだだだだだ!!骨っ!おれっ!はなっ!だぁぁぁぁ!!」

「レイラ、落ち着け!自分の力わかってんのか!おいレイラ!!レイラ!!………ていっ!!」

「きゃう!!」

ドサッ

意識を失ったレイラはそのままキースに覆いかぶさるように崩れていった。

「あ、ありがとうガルク……延髄か…」

「延髄だ。慣れてなかったが、なんとかなった」

その後レイラをよけようと奮闘するキースだが、骨が折れない程度にだきついているそれはどう頑張ってもとる事ができない。
しばらく頑張ってたが、途中諦めたようにこっちをむいてキースだが。

「とりあえず、こいつをよけ……いや、やっぱいい」

こう言って反対側を向きはじめた。

「なんだ、別に手伝うくらい「ガルク」……できそうにないな」

そして俺の後ろにはほんわかした顔のリリスがいた。
彼女は眼をキラキラと輝かせ、希望に満ちた視線をこっちに送ってきている。

……嫌な予感。

「ガルク、私はわかってるわよ」

「な、なにが?」

俺がそう言うと、リリスは『エヘヘヘヘ』とか言いながらひ
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