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ソードアート・オンライン〜黒の剣士と紅き死神〜
ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
来訪者
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1つじゃないかもしれん」

ソロソロと間合いを詰め、2人のメインアームが必中の距離に入った。


どさっ。


頬が硬い地面に着く。隣でエイコッグも倒れて動かない。

(……何が!?)

視界端のHPバーが黄色く点滅し、麻痺状態を知らせる。

「アハハハ。引っ掛かった〜。『飛んで火に入る夏の虫』……あ、今冬か」
「五月蝿いぞ、《ボッシュ》。早く、殺れ」
「待って下さいや、《ザザ》さん。『罠師』にゃ、罠師の殺しの美学ってもんが有るんでさぁ〜」
「『紅』と『黒』、後『ターゲット』に、逃げられる。『紅』に、時間を与えると、面倒だ」
「あ〜……。確かに面倒っすね。仕方ないかぁ〜」

コト、コト、と俺とエイコッグの目の前に黒い物体が置かれる。

「……はぁ。君ら、それ、動体センサーで起爆されるから。麻痺解けても動けないよ。出来るのはお喋りと瞬きぐらいだね。どっちが動いてもそこでEND。……んじゃ、後で殺しに来てあげるから。バイバイ」

死銃の仲間らしき、そいつの姿は見れなかったが、雰囲気で分かった。




―――コイツは、《死銃》より人格的にやばい……




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Sideレイ



洞窟に入るとまずウインドウを開き、装備フィギアをいじってマントを除装する。次にアイテム欄から《タクティカル・スーツ》なるものを選択し、装備する。

「おお……」

一瞬の発光の後、現れたのは拳銃のホルスター、カラビナフック、自動拳銃の弾倉を収めるための小さなポケットetc。

どうやら複数武器を装備しておける装備フィギア拡張アイテムらしい。重量は増えるが、動きに支障は無さそうだ。持ってきた武器を片っ端から装備し、あちこちに収める。

再びマントを装備し、最後にコルトM4カービンライフル(M203グレネードランチャー付属)を背負って少し動いてみるが、何とか行けそうだ。

「……大丈夫なのか、それ」
「問題ない」
「……………」

キリトは呆れたようにため息を吐き、シノンは呆然としている。
まあ、大体似たような反応だ。

それはともかくとして、

「《透明化するマント》。盲点だったな……」
「ああ。でも、ここなら大丈夫だろう。この荒い砂じゃ足音と足跡は消せないしな」

あいにく《聞き耳》スキルを修行した経験は皆無だが、システム外スキル《聴音》には大いに覚えがある。乾いた風の音に不協和音は確認出来ない。今のところ問題は無いだろう。

キリトとシノンに奥へ行くよう促し、俺は1人入り口の少し奥で耳を澄ます。
HPは先程から応急キットで治療中だが、焦れったいほどに回復速度は遅い。

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