ファントム・バレット編
Crimson Ammo.
来訪者
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じゃない。……そんなの『人』としても『兵士』としても許せない」
「……だとしてもだ。お前の信念は自分の命を掛けるに値するのか?」
「するさ」
即答。この世界を人一倍楽しんでいるエイコッグは相棒のアサルトライフルを担ぎ直しながら言った。
「俺はこの世界ではそうゆいやつらを止められるだけの力がある。それを今使わないでいつ使うのさ」
その目に抱くのは信念の光。幾度となく俺が羨望したその光だった。それに俺は、
「俺も行こう。コイツだけじゃ危なっかしいしな」
気付けば口を開いていた。
「おい……。ルージュ」
「俺の主武装は分隊支援火器の機関銃だぜ?むしろ着いて来て下さいだろ」
「……やれやれ」
レイは苦笑いすると、「頼むわ」と言って走り出した。
エイコッグがニヤリといつもの調子で笑った。
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「邪魔を、するな。お前達に、用はない」
「そうかい。でも君の事情は知らないんだなぁ、《ステルベン》君?」
エイコッグが挑発的に言い放ちながらベレッタで近接戦を挑む。
エイコッグの本来の間合いは300m超からのミドルレンジの撃ち合い。ハンドガンの扱いはあまり上手くなかったはずだ。
しかし、それは《死銃》もまたしかり。レイの話では《彼の世界》において、トッププレイヤーも恐れる敵だったらしいが、まともな近接武器はこの世界に存在しない。
相手から見て右方向、同時に警戒するならば利き手を開かざるを得ないよに動きながら(近距離での撃ち合いは利き手を開かせると優位に立てる)M240を肩から落とし、2人の間合いが離れた途端トリガーを引き絞る。
死銃は低く舌打ちしながらバックステップし、懐から投擲弾を取り出し地面に叩き付けた。
「…………ッ!?」
眼球運動でバイザーを遮光モードに切り替え、視覚だけは守る。
――ギンッ……!!
強烈なフラッシュと高音が撒き散らされ、隙が生じる。
「無駄だ!!」
エイコッグが肩からライフルを素早く下ろすと、片手でそれを連射する。当然弾は狙った所に飛ばないが、何せ距離は10mもない。五ヶ所程に新たなダメージエフェクトの尾を引きながら死銃はさらに後退する。
徐々にコロシアムの壁際に追い詰め、死銃がヒタッ、と壁に背を付けた所で止まる。その時、戻ってきた聴覚に死銃の声が響いた。
「ここで、お前達を殺るのは、簡単だったが、どうやら、それは出来ない、ようだな。お前達の、大会は、ここで、終わりだ」
「は?何言ってんのさ。明らかにお前が詰んでるだろ」
「エイコッグ、油断するな。下手すると即死攻撃は
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