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魔法少女リリカルなのは平凡な日常を望む転生者 STS編
第19話 バルトの悩み、なのはの思い
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「だけどここにはお前の言う同盟国についての資料はほぼ無かった………」
「むしろ無さすぎておかしいくらいだな。まるで意図して消したような………」

2人はこの丘に来る前にロストレイの歴史史料館に立ち寄ったのだが、残っていた史料の中にエクスほど昔の史料が残っている物は無かった。

「お前の時の記憶でもその痕跡も見つけられなかったもんな………」
「と言っても俺達は時の記憶の5%も使えていない。こんな状態では使っていると言えるものか………」

エローシュの言う“時の記憶”とは元々エクスにあったレアスキルであり、繋げば膨大な情報の集合体を利用する事が出来る。それは無限書庫にもあるような情報だけでなく、現在増え続ける新しいデータまで含み、無限書庫よりも膨大である。
その膨大過ぎる情報はエクスおろか、エローシュにも処理出来ない程で、未だに分かっていない情報が多く、過去のものほど処理が難しい。
更に使い続ければ脳への負担がかかり、エローシュもエクスも30分が今の所限界である。そして30分ではどうしてもここ10年の内容がまでしか探れず、その全てを把握する事も出来ていない。

今の状態では宝の持ち腐れとなっていた。

「ってか追加される情報を止められないのか?」
「無理だ。俺にはどうしようも無い」
「自動更新されるから整理しても本当にキリがないんだよな………どうにかならないものかね………」
「無理だ」
「ちぇ………」

丘の草原に寝っ転がるエローシュ。その横にエクスも座った。

「完全に使いこなせれば、色んな事が分かるのだがな………」
「………やっぱり気になるよな」
「………実を言うと俺の祖国の事はそこまで気にしていない。俺が気にしているのは滅びる結果になった“ゆりかご”について引っかかるんだ」
「確かお前の親父が最後に言っていた事か」
「天使の歌声………名前からして物騒な事では無いと思うんだが、とても父上の様子からそうは思えなかった」
「だけど今はゆりかごは動かないんだろ?聖王家の血筋はいないみたいだし、ゆりかごの場所も分かっていない。だったら気にしなくていいだろ」
「………まあそうだな」

そんな呟きを聞いてエローシュは体を起こす。

「さて、次は何処へ行く?今日は付き合うって言ったからとことん付き合うぞ」
「そうだな………」

その後もエローシュとエクスは時間になるまで様々な世界を見て回ったのだった………













「ふぁ〜あ………さて、明日も早いんだっけな………」

深夜1時頃。
エローシュの部屋を後にしたバルトはあくびをしながら深夜の宿舎の通路を歩いていた。

「ったく、色々あった1日だぜ………」

そう呟きながら今日の出来事を思い出す。

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