暁 〜小説投稿サイト〜
剣の丘に花は咲く 
第八章 望郷の小夜曲
第一話 ゆ、夢?
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組んでにこにこと穏やかな顔で笑う三枝に頭を下げていた。三枝はそんな二人の様子を見ると、頬に人差し指を当て苦笑を浮かべた。

「久々に士郎くんに会えるからって、二人共興奮しすぎだよぉ。ね、もう少し落ち着いて。ほら、深呼吸深呼吸、すぅ〜はぁ〜、すぅ〜はぁ〜……ね、少しは落ち着いた?」

 頭を下げる二人の前で、三枝は胸に手を当て大げさな仕草で深呼吸をしてみせた。ほのぼのとする三枝の行動に、二人の頭の中が少しはクールダウンしたのか、先程までの興奮が収まっている。

「すまねぇメ鐘。腹減りすぎてさ、ちょっとイライラしてた」
「私も同じだ。すまないな蒔の字」

 頭を互いに下げ合う二人。そんな二人を見た三枝は、にこにこと笑い笑いながらうんうんと頷いていると。

「へぇ〜こりゃ何だろ? コリコリして、生臭くて……ん〜初めて食べた感触だな。モグモグ……んっ……ごく……」
「ああ確かに、これは何の肉だ? えらく生臭いが……何かの干物か?」
「って二人共何してるのっ?」

 仲直りした二人の姿に、三枝がうんうんと頷いている間に、氷室と蒔寺の二人は、ちゃっかりテーブルの前に座り、置いてあった料理を口にしていた。目を真ん丸に見開き、驚きを示す三枝は、テーブルに置かれていた料理をもぐもぐと食べている二人に詰め寄ると、腰に手を当てると二人にぐっと顔を近づけた。

「もうっ! 二人共人の家のご飯を勝手に食べちゃだめでしょっ!」
「そう言うなよ由紀っち。こちとらもう腹ペコで死にそうなんだよ」
「んぐんぐ、ふむ。蒔の字の言う通りだ。由紀恵も朝食はまだだろう。何か腹に入れたほうがいいぞ。これなんてどうだ。今まで食べたことがないような感触がするぞ。さすが衛宮邸だな。由紀恵もこれは食べたことはないと思うぞ」

 氷室がもぐもぐと口を動かしながら、後ろに立つ三枝に手に持った料理の皿を向ける。知らない料理ということに、三枝はいけないと思いながらも、ついついそれに手を伸ばしてしまう。

「え? そうなの? じゃ、じゃあ一口だけ……ぁん……ん〜……ん? 本当だ。何だろこれ? くにくにしてて……ちょっと苦いな……生臭い? ん〜下処理が出来てないのかな? でも、そんな筈はないだろうし……何だろこれ」
「「「オットセイのペニスよ」です」ですわよ」
「ぷボッ!!?」
「ぶはっ!!?」
「っ!!?」

 三枝が首を捻りながら疑問の声を上げると、今まで黙って三人のやり取りを眺めていた凛と桜とルヴィアが唐突に響いた。その三人の言葉のとんでもない内容に、もぐもぐと料理を食べていた蒔寺と氷室は目を見開き、激しくむせ始めた。

「っご〜ほっごほごほ、げぼっ、げっほ……っ!? っ?! っ?! ぺ、ペ○スだとォオオッ!! な、なな、何でんなもんが飯に出てくんだよぉお
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